山本周五郎時代劇 武士の魂

第七話「風車」

浪人の梶原金之助（笠原秀幸）は父・元春（奥瀬繁）に勘当されてからというもの、酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。旗本の叔父・藤田三右衛門（鶴田忍）も当初は立ち直らせるために金を工面していたが、一向に生活を改めない金之助についに愛想を尽かしてしまう。ある日、居酒屋で酩酊していた金之助は、酒代を払えず主人の源蔵（真山章志）に追い出され狼藉を働くが、突然現れた大女に投げ飛ばされてしまう。気がついた時には、おつゆ（秋元才加）と名乗るその女によって家に運ばれていた。金之助はおつゆを叔父がよこした奉公人と思いこみ無視し、再び酒を飲みに出かけようとするが、気丈なおつゆは酒を断つための荒療治として金之助を柱に縛り付けてしまう。数日もの間、金之助は激しく抵抗するが、おつゆの献身的な世話を受けるうちに次第に心を許し始める。やがて金之助は精気を取り戻し、畑仕事を始めるまでになった。金之助はおつゆに、彼の心に痛手を負わせた3年前の出来事を打ち明け、それを聞いたおつゆは涙を流すのであった。ある夜、隣の大名の別邸に住む松姫を襲撃する賊を見かけた金之助は、刀を持って隣家に駆けつけるが…。

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