あらすじ
第四話「山だち問答」
大垣藩の馬廻・郡玄一郎(的場浩司)は、槍奉行・佐田権太夫(並樹史朗)の娘との婚礼を間近に控える中、藩主の密命のために彦根城下へ向かうこととなった。その途中、下男・弥九郎(山本栄治)と寺の前を通りかかり、山門の下で老職・戸田内記の娘だという頭巾を被った小雪(柳生みゆ)と侍女が雨宿りをしているのに気づく。困っている様子の2人に、玄一郎は自分の菅笠と弥九郎の菅笠を差し出し、先を急ぐ。
その夜、伊吹山を歩いていた玄一郎の前に、突如山だち(山賊)が現れる。山だちの長・赤松六郎左衛門(永澤俊矢)から「金品はもちろん、身ぐるみも脱いでいけ」と言われた玄一郎は、彼らの大義名分を聞き一考した末、「衣服は密命を果たし戻って来た時に渡す」と約束。「武士に二言はない」と宣言し、持ち金を渡し彦根城下へと向かう。そして、無事に密命を終えた後、伊吹山で約束通り六郎左衛門に衣服を渡し下帯姿で帰藩。ところが、この行動が臆病者だと批判され、縁組も破談となってしまう。
そんなある日、玄一郎のもとに小雪の侍女・なつが菅笠を返しにやって来る。玄一郎は戸田家から暇を出されたというなつを雇い入れ、次第に心を通わせるようになる。その矢先、野武士たちが城下へ踏み込んだと報せが届き…。
出演者情報

大垣藩の馬廻・郡玄一郎
的場浩司
老職・戸田内記の娘・戸田小雪 | … | 柳生みゆ |
郡家の手伝い・かね | … | 山村美智 |
郡家の下男・弥九郎 | … | 山本栄治 |
大垣藩の藩士・矢内又作 | … | 桂憲一 |
山賊・片山勝四郎 | … | 奥村幸礼 |
山賊・石岡平八 | … | 伊藤公一 |
山賊の長・赤松六郎左衛門 | … | 永澤俊矢 |
槍奉行・佐田権太夫 | … | 並樹史朗 |
スタッフ情報
【ナレーション】片岡鶴太郎
【原作】山本周五郎「山だち問答」(新潮文庫刊『やぶからし』所収)
【脚本】李正姫
【監督】皆元洋之助