あらすじ
第三話「菊月夜」
藩の重臣・高力忠左衛門(西岡德馬)は、先代藩主が逝去したのち、まだ幼い世継ぎを立てて藩を意のままにし、藩の財源をわがものにして私腹を肥やしていた。高力の卑劣な行為によって同士たちが葬られていくのに耐えかねた松谷権太夫(新井康弘)は、殿中で高力に向かい刀を抜くが、高力の腹心らに討ち果たされてしまう。権太夫の娘・小房(福田沙紀)ら残された家族は、一家追放の身となった。
それから4年。小房の幼なじみで小房の許婚でもあった佐垣信三郎(田中幸太朗)は、江戸で法制を学んだ後、地元へ戻っていた。ある時信三郎は、藩の大目付役・疋田兵庫助(永倉大輔)から、疋田家へ婿養子に入るよう話を持ちかけられる。高力の横暴ぶりに藩の先行きを案じていた疋田は、信三郎に高力の悪事を暴けるだけの才覚を見出していたのだ。
一月後、信三郎は疋田家の娘・絢子と祝言を挙げるが、小房を姉のように慕っていた絢子は、信三郎の小房への断ち難い思いを汲み取り、信三郎に、心置きなく本懐を遂げ、小房の無念を晴らしてほしいと語るのだった。
疋田とともに初登城した信三郎は、高力と面会するや、高力の首筋ですずめ蜂を仕留めて見せ、昆虫にうつつを抜かす「学者馬鹿」を演じることで、高力の油断を誘うのだった。
ある日のこと、高力の所業を密かに探索していた信三郎は、牢舎の中で、異様な風体の女囚を見つける。そして、その女囚が口ずさんだ歌に、あるひっかかりを覚えるのだった…。
出演者情報

佐垣信三郎
田中幸太朗

信三郎の許婚・松谷小房
福田沙紀
疋田家の長女・疋田絢子 | … | 青山美郷 |
安倍孫太夫 | … | ゆかわたかし |
役人 | … | 内藤暁水 |
小姓 | … | 重富翔太 |
重臣 | … | 志水正義 |
組頭・疋田兵庫助 | … | 永倉大輔 |
松谷権太夫 | … | 新井康弘 |
家老・高力忠左衛門 | … | 西岡德馬 |
スタッフ情報
【ナレーション】片岡鶴太郎
【原作】山本周五郎「菊月夜」(新潮文庫刊『菊月夜』所収)
【脚本】大前智里
【監督】新村良二