まだ1月中旬ですが、九州・沖縄から北海道まで「桜が満開」でした。これは気象庁ではなく日銀からの情報です。「さくらリポート」の名で知られる3カ月ごとの地域経済報告(12日発表)で、9つある全ての地域の景気判断が引き上げられました。2013年10月以来、およそ8年ぶりの「満開」です。ただし、新年早々めでたいと無邪気には喜べません。
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| スタジオにもサクラサク(左は中垣アナウンサー) |
せっかく咲いた花を散らしかねない新型コロナウイルスの「第6波」が押し寄せています。私たちに身近な小売店などで働く人たちの肌感覚をたずねる、内閣府の景気ウォッチャー調査では先行きに対する不安が急拡大。特に新規感染者が爆発的に増えた沖縄の飲食店では、今月に入って「キャンセルが予約の50%」という悲鳴に近い訴えもあがっています。私も年末年始の帰省を断念しました。旅行の取りやめも相当増えているようです。
経済を揺さぶる大波は感染拡大だけではありません。景気ウォッチャー調査では燃料や食料品などの値上げに対する不安の声も出ていました。これに拍車をかけるのが輸入価格を押し上げる円安です。世界各地の中央銀行が物価高を抑えようと「脱・低金利」へ向かうなか、去年のドル円相場は10円以上、円安へ動きました。デフレ対策のためマイナス金利を当面続けるとみられる日銀の姿勢が背景にあります。物価上昇と景気後退を同時に引き起こしかねない「悪い円安」は「今年の日本経済の最大のリスク」(岡三証券の小川佳紀氏)です。
来週は日銀が金融政策を決める会合を今年初めて開きます。「悪い円安」を防ぐために何らかのメッセージを出すのでしょうか。黒田東彦総裁が記者会見する18日(火)に、今年の日銀の動きと円相場、そして日本経済の行方をじっくり考えます。

日経ニュース プラス9 「マーケット一目瞭然」キャスター
岸本好正
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