4日に岸田文雄内閣が発足しました。私の取材経験では1993年に発足した細川護熙内閣以降、岸田氏で15人目の首相となります。ですが今日はまず政治記者として実際に出会った海外の政治リーダーの話をさせてください。
1998年11月に来日した当時のビル・クリントン米大統領には、東京・元赤坂の迎賓館の記者会見で直接質問する機会がありました。強く印象に残っているのは記者会見ではなく、事前の歓迎行事などにおける気さくで親しみがもてる振る舞いです。
クリントン氏は狂言「棒縛」を小渕恵三首相らとともに笑顔で熱心に鑑賞し、終わると周囲をしきりに見回しました。同年夏の参院選の自民党大敗で首相の座を退いたばかりの橋本龍太郎氏を見つけると、親密さを表すように近くに歩み寄って辞任への慰めの言葉を伝えました。誰に対しても優しい視線と笑顔をたやさず、会話では相手の話にうなずきながら耳を傾ける姿勢をとっていました。「やはりアメリカの大統領はチャーミングで、身のこなしが違うなあ」というのが私の第一印象でした。
米大統領選では勝利者を予想するひとつの手段として、「パブに2人で行ってビールを酌み交わしたいのはどの候補か」という判断基準があるそうです。クリントン氏もそうですし、その後のジョージ・W・ブッシュ大統領、バラク・オバマ大統領らにも当てはまる法則のように思えました。政治リーダーに期待する人柄にもお国柄を感じます。
さて我が日本の第100代の内閣総理大臣となった岸田氏は、政界では酒豪として知られています。側近は「岸田さんはお酒が少し入ったくらいがちょうどいい。しらふだとマジメで面白みに欠ける」と評していました。最近は少し雰囲気が変わってきましたが、みなさんは自民党総裁選に出馬した岸田、河野太郎、高市早苗、野田聖子の4氏の中では誰と一緒にパブに行きたいでしょうか。異性か同性かでちょっと判断に困るかもしれません。
岸田氏には9月10日の「日経ニュース プラス9」にご出演いただきました。首相をめざす理由を尋ねると、「いまコロナ禍で国民の心が大変疲れている。対話を通じて信頼を高めていくリーダーに私はなれると思い、立候補を決意した」と即答されました。すぐに衆院解散・総選挙が控えています。まずは初心を忘れず政権運営に臨んでほしいと思います。
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| 9月10日に「日経ニュース プラス9」に出演した岸田文雄氏(写真右) |

日経ニュース プラス9 メインキャスター
坂本英二
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