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2021年10月04日(月)試される岸田流

 自民党の新総裁に岸田文雄氏が選ばれました。報道各社の世論調査に基づいた予想を裏切って1回目の投票から1位となり、そのままの勢いで2位の河野太郎氏を大きく引き離しての勝利となりました。

 今回、前置きは抜きにして「発信力」について考えてみたいと思います。というのも菅義偉総理大臣が新型コロナウイルス対策での齟齬(そご)があったとはいえ、デジタル化や脱炭素社会への道筋をつけるなど打ち出す政策の方向性は正しかったのに、自らの発信力の不足がたたって退陣に追い込まれたからです。岸田氏が事実上、次の総理となる以上、国民に向かって自らの政権構想を訴えかける発信力が不可欠です。

 過去の政権では小泉純一郎氏の「ワンフレーズ・ポリティクス」が記憶に新しいところです。「古い自民党をぶっ壊す」と絶叫する姿が国民の心をつかみ、改革への期待を抱かせ、それが強い求心力を生みました。発信力は求心力と裏腹。党内で強い基盤を築き、国政選挙で圧勝し続けた安倍晋三氏の言葉も国民の間に浸透しやすかったと言えます。

 ひるがえって岸田氏。安倍氏が総理大臣だった2019年12月の当時、「NIKKEI 日曜サロン」に出演して「ポスト安倍」について初めて公で語った際、岸田氏を候補の筆頭にあげる一方、その人柄について「一緒にいて心地よい」と表現しました。過去の討論会などをみていてもいきなり相手の問題点を突くことはせず、まずは相手の良いところを評価し、その上でやんわりと課題を指摘します。こうした点が岸田氏の長所ですが、同時に「力強さ」が足りないともされていたようです。

 その岸田氏が役員任期の「1期1年、3期まで」を打ち出し、猛然と党改革に動き出しました。総裁選出後の会見で党改革への意欲を聞かれた時の回答が「1ミリたりとも後退していない」。変化への期待が持てる感じがしました。

 来週には臨時国会が召集され、岸田氏は総理大臣に選出される見通しです。さっそく組閣の狙いなどで、その岸田流発信力が試されます。政策の中身に加え、こうした点もつぶさに番組でお伝えしていきたいと思います。

日経ニュース プラス9 プロデューサー
森松博士

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