日本に外国人観光客が、急速に戻っています。毎月日本政府観光局が発表する「訪日外国人客数」。7月は夏休み効果もあって6月から25万人増えて232万600人とコロナ前の8割ほどまで復活しました(8月の結果は、来週20日に出ます)。
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| 夏の京都に行ってきました |
思い返してみるとこの夏、街では本当に外国人の方々をよく見かけるようになりました。先日訪れた京都も海外のツアー客やバスがあふれ、渋谷のスクランブルスクエアでは展望台エレベーター前に長蛇の列ができていました。
街がにぎやかになるのは喜ばしいようにも感じますが一方で、渋滞や騒音、ごみの投棄が増えるといった「オーバーツーリズム」の問題も出てきます。京都では地下鉄の利用を促すため市バス1日乗車券を廃止したり、観光地として人気が高いイタリアのベネチアは入域税を徴収することを決めたりと、世界中の観光地が今対応に追われています。日本はこの秋、どうなるのでしょうか。
大きなポイントは福島第一原発の処理水放出をめぐって日本に対する批判を強めている中国です。8月10日に日本向け団体旅行を解禁しましたが、一部でキャンセルも出ています。そもそも経済状態が日本のようなデフレに陥っているともいわれるほどの苦境。インバウンド消費は一部が期待するほどは伸びないかもしれません。
中国経済を特集した8月16日の「日経ニュース プラス9」で出てきたデータでは、コロナ後のリベンジ消費で旅行にお金を使いたいという割合は突出して高い状態でした。しかしスタジオで話題になったのは、最近の中国人は「もう日本では化粧品や家電は買わない」というのです。その理由は......。
「中国でも買えるから」。最近は中国のデパートやサイトなどを通じて日本ブランドのものが買えるようになり、わざわざ日本に行って買う必要がなくなったのだそうです。その代わりにお菓子などを買うようになったとか。
訪日外国人には「その国の普段の生活をのぞき見したい」という傾向もあるようです。日本のまだ知られていない場所やモノの魅力を上手に伝えつつ観光客を取り込む新しい手法が、必要になっていくのかもしれません。

日経ニュース プラス9 キャスター
須黒清華
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