サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会、ご覧になっていますか?日本は惜しくもベスト8入りを逃してしまいましたが、全4試合胸が熱くなる試合でしたね!「スポーツっていいなぁ」と思いながら、私も毎回寝不足になりながら観戦していました。W杯をかけたトーナメントはさらに続きます。どの国が優勝するんでしょうか......といいつつ、皆さんすっかり忘れていませんか?今回のホスト国のことを。
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| 日本がドイツやスペインを破ったハリファ国際競技場(日経電子版から) |
開幕直後11月22日の番組では「開催国カタールを語る!」(笑)ということで、日経ニュース プラス9」らしく経済から見ると、いったいどういう国なのかをご紹介しました。秋田県より少し狭い、面積1万1427平方キロメートルの小さな国ですが、国民1人あたりのGDPは日本を大きく上回るおよそ6万2000ドル(約850万円)。天然ガスや原油などの資源で潤う、とっても豊かな国です。国民の電気代、水道代はタダ、医療費や大学までの学費も無料......なんともうらやましい限りです。そんな「富豪国」がW杯のために大盤振る舞いを見せました。
新設・改修された8カ所の大スタジアムは屋根がないのに強力な空調でピッチも観客席も砂漠の高温から守られ、すべてAI(人工知能)管理、2万台のカメラでセキュリティーチェック......今大会にかけた総額は30兆円を超えます。前回ロシア大会が1兆円台(約6800億ルーブル)だったということですから、いかに突出した巨額かわかります。その半面、大勢の外国人を使っての突貫大型工事は過酷な労働環境を指摘され、人権問題として批判も巻き起こりました。
そこまでして実現した中東初の晴れ舞台。カタールという国をもっと知ってもらうためという意味もあるのだそうです。近隣のアラブ首長国連邦のドバイに追いつけ追い越せと、観光業を盛り上げようとしているという話も聞きました。
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| かつて取材で訪れたドバイは魅力いっぱい |
思い返せば2012年、当時競馬番組を担当していた私は「ドバイワールドカップ」の取材に行きました。メディアは国王招待の扱いで宿泊は国が用意した豪華ホテル。街では世界一高い建造物、828メートルの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」に圧倒され、ショッピングモールや水族館までとにかくスケールの大きさと豪華絢爛さに驚きました。でも一歩都心を離れると、昔ながらの市場(スーク)があって金やスパイスを売っていたり、インド街でおいしいカレーを安く食べられたり、砂漠ツアーができたり......「またいつか行きたい」と思わせる場所でした。
あれから10年、さらに発展したドバイに続けとばかりにW杯を主催したカタールですが観光施設はまだ乏しく、お酒が規制されるなどナイトライフも多くは期待できません。実は飛行機で1時間、魅力たっぷりのドバイに滞在するファンも多いようで、かえってライバルを「アシスト」しかねない状況ですが、スポーツをきっかけに多くの人に知ってもらいファンになってもらおうという国策は、大会後思惑通りの「新しい景色」をもたらすでしょうか。

日経ニュース プラス9 キャスター
須黒清華
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