先日(15日)の「ヒットのクスリ+9」では、アイス「ガリガリ君」でお馴染み、赤城乳業の井上創太社長をスタジオにお招きし、長きにわたるヒットの理由を伺いました。「ガリガリ君」といえばソーダ味やコーラ味などの定番はもちろん、コーンポタージュ味、シチュー味、ナポリタン味という「衝撃シリーズ」を思い出す方も多いのではないでしょうか。
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| ナポリタン味などの衝撃シリーズ |
第1弾のコーンポタージュ味が発売されたのは今から10年前のことですが、SNSなどで話題になっていたのを、いまだに私も覚えています。コーンポタージュ味は品薄になるほどの売れ行きを見せ、シチュー味もヒットを飛ばしたそうですが、最後のナポリタン味は、約3億円もの損失を出してしまったそうです。確かに、ナポリタンはアイスとあまりにもかけ離れていて、食べるのには少し勇気がいりますね......。それでもこの3億円という「高い授業料」を払って「やはり、おいしくないアイスをつくってはいけないと気がつきました」と次に生かしていく、潔い姿勢がとても印象的でした。
そんな失敗をも糧にして、攻めの姿勢を貫くのが赤城乳業らしさ。商品開発部に配属された1年目の社員は、1年間で1000本のアイデアを考えなければならないそうです(中には「ハバネロ味」「宇宙食風」など、「衝撃シリーズ」再び......?と思わせるような"とんがった"ものも!)。若手社員はVTRのなかで「社内に発言しやすい風潮がある」と話していました。アイデアの中から実際に次々と新たな商品が生まれているそうです。
年間4億本を売り上げる「ガリガリ君」ですが、実はここ10年ほど売り上げは伸び悩んでいます。放送前、井上社長に「日本人でガリガリ君を知らない人はほとんどいないのではないでしょうか?」と聞いたところ「そこが、問題なんですよ」とおっしゃっていました。大多数がすでに商品を認知しているからこそ、攻めの姿勢で消費者を飽きさせずに「また食べたい」と思わせる工夫がロングセラーの秘密なのかもしれません。

日経ニュース プラス9 キャスター
片渕茜
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