「コロナ給付金はオンラインカジノに使った......」などという例も最近ありましたが若者のおカネを巡る、ちょっと意外な動きが明らかになりました。日経が調査したところ、月々の積み立て投資額が過去最高水準に達し年間2兆円ペースまで膨らんでいるというのです。誰が主に買っているのでしょうか。「日経ニュース プラス9」で解説してくれた五味梨緒奈記者に聞くと「ずばり若者です」。
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年40万円までの投資なら配当や売却益が20年間非課税となる「つみたてNISA」の口座は若年層が中心で、20代と30代が合わせて6割を占める証券会社もあります。老後資金のいわゆる「2000万円問題」が話題になって以降、将来のおカネに不安を抱く若者が増えてきたのは分かります。でもなぜ、ここにきて投資に動いたのか。背景には新型コロナがありました。
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もらった給付金を元に投資を始め、巣ごもりで自宅からのオンライン取引というパターンが増えました。一方、コロナ対策の一環として日米欧当局などが強力な金融緩和を進め世界的に株高も重なって積立額が一気に膨らんだというのです。なるほど。でもそういうことなら、アメリカが金融引き締めにカジを切りハイテク株などが大きく下げてきた現在、逆に急な株離れが起きるのではとも思うのですが......?
「最近の若者のスタイルは『コツコツ長期』。投資姿勢は変わってきました」(五味記者)。見逃せないのが最近の物価急上昇です。預貯金では何年かかってもほとんど増えない状況で、モノやサービスが値上がりし、賃金はそれほど上がらないとすれば......。家計金融資産全体2000兆円に比べれば、まだまだ微々たるものですが、長らく叫ばれながら進まなかった「貯蓄から投資へ」の流れが、やむにやまれず若者から出てきたようです。これこそ、ささやかな「新しい資本主義」の芽吹きかもしれません。

日経ニュース プラス9 キャスター
岸本好正
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