日本経済新聞社がこのほど世界の上場企業を対象に、時価総額が10兆円を上回っている「10兆円クラブ」の企業数を集計したところ、全世界で171社あり、そのうち米国は96社と全体の半分以上を占めました。日本がトヨタ自動車やソニーグループなど5社にとどまったのは残念ながら想定内。しかし世界第2位の経済大国である中国が1年前より2割少ない17社になったのは、政府の規制強化を考慮しても想定を上回る不振ぶりでした。
QUICK・ファクトセットによると12月3日時点で米国は1年前より3割増えました。ビッグデータの保管・分析を手掛けるIT企業や半導体関連といったデジタル化の恩恵をフルに受ける企業が新たに10兆円クラブ入りしたためです。この点、日本で新たに加わったリクルートホールディングスも12年に買収した米求人サイト「インディード」事業が躍進の原動力となっており、同じ文脈で語ることができます。さらに新規加入組では電気自動車(EV)や省エネルギーにかかわる企業が顔を並べており、この点は日本企業の成長戦略を占ううえでも「デジタル化」と「脱炭素」が大きなキーワードになることがわかります。
そして中国。配車アプリ大手の滴滴出行(ディディ)がこのほど米国上場を廃止し、香港での上場を準備すると発表しました。さまざまな投資家の多様な価値観にさらされてこそ企業は強くなるものです。イノベーション(革新)より国内の統制強化を優先する。こうした姿勢が、かつて世界を席巻する勢いのあった中国企業にどのような影を落とすのでしょうか。

日経ニュース プラス9 プロデューサー
森松博士
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