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2021年09月13日(月)株価3万円が政治に求めていること

 あれよあれよという間に日経平均株価が3万円の大台に乗せました。菅総理大臣の退陣表明によって、次期衆議院選挙で与党が大敗するリスクが後退。新政権による政策期待が株高をけん引したとの解説がもっぱらですが、それはあくまで株高の「発火点」であり、根底にあるのは、日本企業の底堅い収益力への再評価、海外勢の買い戻し、そして新型コロナウイルスの感染拡大の一服があるのは言うまでもありません。こうした土台があってこそ、いまの株高があるとみるべきです。

 ここで肝心なのは最近のコロナ新規感染者の減少が何によってもたらされたのか、ということです。有力なのはワクチン接種の進展と人流抑制がようやく今になって効き始めたという見方でしょうが、これもすべてを説明できる材料とはいえません。たしかに少なくとも1回接種した人が人口の約6割と推計されるまで接種が急ピッチに進み始めたのは事実ですが、一方で、接種率が8割に達したシンガポールで感染者が急増している現状をみると、ワクチン接種の進展だけでは最近の日本の感染者減少を説明しきれません。複合的な要因が絡み合って今の感染一服の状態が起きているというしかありません。まだまだ出口が見えない状況です。

 翻って自民党の総裁選。岸田前政調会長が「令和版所得倍増計画」を掲げて所得の再分配論を打ち出す一方、高市前総務大臣が国と地方の財政均衡を巡る議論の凍結を唱えるなど威勢の良い話が出てきています。こうした話はたしかに重要ですが、いま何より必要なのはコロナ対策の全体像を示すことではないでしょうか。コロナ対策は今どの地点まで来ていて、あとどれぐらい我慢すれば出口が見えてくるという全体像と見通しを示すことです。そのためにワクチン接種と医療体制の再構築など具体策もあわせて打ち出すことも必要となります。今の株価3万円乗せは新政権による迅速なコロナ対策の再構築を一部織り込んでいるように思います。そしてマーケットにとって期待が失望に変わるのは早いのは言うまでもありません。

日経ニュース プラス9 プロデューサー
森松博士

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