日経おとなのOFF
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おとなの嗜み 趣味やマナーをその道に通じる方に聞く
ネルドリップコーヒー
ネルと呼ばれる布製のフィルターを使って淹れるネルドリップコーヒー今宵は極上の一杯を淹れる方法を紹介します。オフの日にゆったりと時間をかけて自分好みの一杯を味わってみてはいかがですか?
東京 銀座に店舗を構えるトリコロール本店。
1936年の創業以来、ネルドリップコーヒーにこだわり続けています。教えてくれるのは創業者の四男で現在、トリコロールの会長を務める柴田誠さん。
ドリップコーヒーをいれるのに、もっともポピュラーなのは、ペーパーフィルターですが、ネルにしか出せない、コーヒーの味があります。ペーパーとネルには大きな違いがあります。それがフィルター内に湯が溜まっている時間。
およそ100mlの湯で、抽出時間を比べてみると…
ペーパーフィルターは湯をいれると、すぐにコーヒーが落ちて来ます。ネルはペーパーに比べて量が少ないのがわかります。ペーパーフィルターは、湯が落ち切るまでにおよそ30秒。
ネルは、およそ1分かかりました。なぜ、違いが出るのでしょうか。ネルの繊維の目にコーヒーの微粉が入る事で、ペーパーよりも落ちる速度が遅れるのです。
これにより湯と粉が混ざる時間が長くなるため、コーヒーの旨味成分がペーパーよりも出やすくなります。ペーパーは使い捨てで便利ですが、ネルは手間がかかります。
新品のネルの場合、必ずしなければいけない準備があります。型くずれを防ぐ為についている糊と付着している細かい毛を湯で洗い流し…
鍋に入れて中火で15分ほど、空茹でします。その後、水洗いで、糊と細かい毛を落とします。次に、粗めに挽いたコーヒー豆を鍋の中にいれて、およそ20分、繊維の目に微粉を程よく詰まらせます。