こんにちは。
報道に携わっていると、どうしても災害、戦争、事故をとらえた悲惨な映像などに接することが多くなります。そんな状況で先日ふと目にしたある画像には驚き、思わずほっこりしてしまいそうになりました。
|
| フェイクとファクト(真実)は紙一重? |
アメリカのバイデン大統領と一緒に現れたのはトランプ前大統領。4年前に続いて今年の大統領選挙でも激突しそうな2人が、なんと仲良くピクニックしたり並んだりしています。日ごろお互いを「民主主義の脅威」と攻撃しあい、アメリカの社会の分断がますます進むといわれるなかで「これ、本当だったらいいな」と思いかけた瞬間、気づきました......あ、フェイクだ。
AI(人工知能)が大量につくりだすフェイク=ニセ情報。民主主義の根幹である選挙に、介入といっていいほどの大きな影響を与えかねない力を持っています。今月の台湾総統選から11月のアメリカ大統領選まで各地で重要な選挙が相次ぐ今年、スイスに世界の政財界の大物が集まった「ダボス会議」でもAI規制が大きな柱の一つとなりました。
ダボスならぬ東京の「わが家会議」でも、時にフェイクは話題にのぼります。子どもたちと話していると「えっ、どこでそんなこと聞いたのかな?」と思うようなトンデモ情報をうのみにしかけていることがあり、大量に入ってくる情報が本当なのか見極め、取捨選択して活用する力「メディアリテラシー」を高めていく必要があるように改めて感じます。
人々の願望、思い込みにAIはするっと入り込み、すさまじい勢いで拡散されていくので、目を引く「キャッチー」なものほど注意が必要です。ソース(情報源)を確かめる、二重三重に裏を取る。報道に携わる私達自身も思い込みを捨てて日々情報に接していこう、との信念を新たにしています。能登半島地震についても、SNSの力をまざまざと感じました。良くも悪くも、です。

日経ニュース プラス9 キャスター
倉野麻里
記事は日経プラス9クラブ会員向けのメールマガジンで毎週金曜日に配信しています
⇒詳しくはこちら