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  • 2022.07.01 FRI

    仮想通貨が暴落!マネー逆流...問われる存在意義

    暗号資産(仮想通貨)の存在意義が問われています。ビットコインの価格が18日、一時2万ドルの節目を割り21年11月の最高値から7割超下落。また、仮想通貨の関連企業のリストラ表明も相次いでいます。さらに、通貨システムとして構造的な欠陥があるとの声も。今後の行方を占います。

2022年04月25日(月)20年ぶりの円安と黒田氏の「予言」

 「急激な円安が進む可能性は現状では少ない、と思います」。黒田東彦氏は私とカメラの前で静かに口を開きました。これは1ドル130円に迫り20年前の円安水準となった現在の話ではありません。その「20年前」の2002年2月27日。当時財務省の為替政策責任者の黒田財務官にテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(WBS)のマーケット担当だった私が単独インタビューをした際の発言です。

20年前の「黒田予言」を報じた日経記事(左)。今度は円安は止まるでしょうか


 このインタビューを見た海外メディアなどが発言を引用し、直後のニューヨーク市場では一気に1円近く円が買い戻されました。実際に市場でドル売り・円買いをすることなく、発言だけで相場の動きを止める口先介入は成功。テレビで発した「黒田予言」の通り、為替はさらに円高方向へ進んでいくことになります。

 当時、黒田財務官が円安は進まないとした理由は、日本の経常黒字でした。世界からお金が入ってくる状況では長期的に円安は続かないだろう、という理屈です。黒田氏が「円安はデフレ対策になるんですよ」と語っていたのも、よく覚えています。物価が上がらず景気が冷え切っていた日本経済にとって、輸入品の価格を押し上げる円安が脱デフレの助けとなるという期待が政府当局にありました。

 あれから20年。原油などの資源高に円安が拍車をかけ、昨年度の日本の貿易収支は赤字。日本の経常黒字はみるみる減り「予言」の前提は崩れようとしています。日銀総裁に転じた黒田氏は「急速な円安はマイナス」と抑えにかかりましたが、かつて一言で相場を動かした神通力は見られません。そうなると次の焦点は......あのインタビュー当時の1ドル135円台を超えていくかどうか。黒田総裁は来週、金融政策決定会合に臨みます。私たちの暮らしを直撃する円安、市場との攻防戦が続きます。

岸本好正

日経ニュース プラス9 キャスター
岸本好正

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