日経おとなのOFF
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おとなの嗜み 趣味やマナーをその道に通じる方に聞く
訪問の礼法
親しき仲にも礼儀あり。今夜は親しい相手の家に招かれた時に、最低限覚えておくと良い礼法を学びます。親しい相手を訪ねた時に、思いやりの心を礼法で現してみてはいかがですか?

教えてくれるのは、小笠原敬承斎さん。
700年続く小笠原流礼法初の女性宗家として、門下の指導にあたるだけではなく、企業や学校などでの講演活動や、執筆を通じて、現代生活に応じた礼法の普及に努めています。
小笠原流礼法は鎌倉時代に弓馬術とともに武士の嗜みとして始まった礼法です。
始祖の小笠原長清は大切なのは、形よりも、相手を思う心だと伝え、その作法は今も受け継がれています。
親しい相手の家に招かれた時に、覚えておくと良い礼法を学びます。上着は、玄関前で脱ぎ、片手に畳んで持ちます。外のホコリを、なるべく家の中に持ち込まないようにという、相手への気配りです。
玄関で靴を脱ぐ時は、動きの一つ一つに、気を配ってほしいと言います。
部屋に通されたら、招いてもらった感謝の言葉とともに、手土産を渡します。
「今日はお招き、ありがとうございます。」
手土産の選び方でも、大切なのは、相手を思う心だと言います。
「例えばご夫婦お二人の家庭にたくさんのものを、しかも賞味期限の短いものをお持ちするとなると、先方の方の心の負担になってしまう。やはり、相手の負担にならないようにどうしたらいいかということを考えて品選び、そして数を考えるということが大事だと思います。」
手土産を相手に渡すとき、紙袋に入れたまま渡したことはありませんか?
小笠原流では紙袋のまま渡すのは、外の汚れた空気をまとったまま渡すという、失礼な行為だと考えます。必ず、手土産だけを渡して、紙袋は畳んで持ち帰るのです。玄関前で外気のついた上着を脱ぐのと同様に、日本人が古来より大切にしてきた「清浄感」に基づく訪問の作法。
手土産を渡す時の作法として、「取り回し」と呼ばれるものがあります。まず、品物の正面を自分に向けて持ちます。どちらが正面になるかは、結び目を見て判断します。
時計回りに180度回転させて、相手に正面を向けてから、渡します。
「なぜこれをするかと言いますと、まず最初に自分に正面を向けるということで相手に差し上げる品物に汚れがないかですとか、失礼がないかなど最終確認をするということもできるので、ものを差し上げるときには是非この『取り回し』というのを皆様にもおすすめします。」
こうしたさりげない動作にも、相手を思う気持ちが込められているのです。様々なシチュエーションで使える訪問の礼法。
小笠原さんは、どの場所でも、同じように実践するのではなく、状況に応じて使い分けることが重要だと言います。
親しい相手を訪ねた時に、思いやりの心を礼法で現してみては、いかがですか。




