NIKKEI NEWS NEXT

コラム

吉野家の本気

 8月28日(水)の放送では吉野家HDのダチョウ事業を取り上げ、河村泰貴社長にインタビューしました。河村社長は吉野家のアルバイトから正社員になり、2012年、43歳で吉野家HD社長に就任。「ミスター牛丼」と呼ばれた吉野家の安部修仁氏からバトンを受け継いだ人物です。

河村社長は約20年前からダチョウに目を付けていました


 印象的だったのが、河村社長のダチョウにかける強い思いです。「牛肉にできたことがダチョウにもできるんじゃないのと、社内をそう鼓舞してきた。一度しかない人生で、世の中を変えてみたいと思わないかと」

ダチョウ牧場を自社で運営しています


 20年前、一社員だった時にダチョウ肉を食べときの感動が原動力です。「牛肉の赤身にも似た味がして非常においしかった」。はなまる社長への就任や、米国産牛肉の輸入禁止という危機などがあり、ダチョウ事業は一時宙に浮きました。ただ、ダチョウへの思いは消えることはなく吉野家HD社長になった後、外部から研究者を招集。素材研究や商品開発を開始したのです。

 ただ、ダチョウは飼育効率の高さから注目を集めているものの、飼育が難しく普及には至っていません。いつごろまでの普及を目指しているのか聞くと、「100年はかけたくない」と返ってきました。「日本人が牛肉を日常的に食べるようになったのは、ほんのここ150年も経っていない。当社125年の歴史があるが、125年前はまだ人々は日常的に牛肉を食べていなかった。でも今どうですか」。河村社長の視線の先は100年先。経営者としての強さを感じました。