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コラム

知的欲求を満たす店

 先日の番組では、玉寿司が開いたすし握り体験専門店を取り上げ、中野里陽平社長を取材しました。出店の狙いを聞くなか、インバウンドの分析が印象的でした。

 「思っている以上に知的欲求を求めているお客が多い。なぜ?ということに対して答えると満足度が非常に高くなる」。玉寿司が開いたのは、握り体験に特化した専門店です。プロの職人から直接握り方を教えてもらえるのが特徴。訪日客は食べるだけでなく、食文化を学びたい、食文化に携わる職人の話を聞きたいと思っているというのです。

 さらに、訪日客は「職人という存在を大事にしている」と分析します。「職人がどのように技術を磨いているのかを知り、おいしいものの背景にどのような技術があるのかを体験する場には価値がある」とみています。以前は一般の人がカウンターの中に入って技術を教えてもらうことはありえなかったといいますが、「概念を捨てて多くのお客に楽しんでもらう」

 中野里社長は玉寿司の4代目。巨額の債務という厳しい状況を乗り越え、玉寿司を守り続けてきました。「変えないのは酢とシャリ、のり、ネタ」。玉寿司がインバウンド時代に合わせてどのように変化していくのか注目です。