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誇りの地 巡礼 地域の魅力を再発見する

2014.06.10

<6月の旅先>「日本橋」 江戸前寿司


光物の代表格とも言われるコハダ。江戸時代から江戸前で多く獲れ、いつの時代も、職人が下ごしらえの腕を磨き、慣れ親しんだ魚でした。

人気の寿司ネタであるマグロは、脂が多くて傷みやすく、塩や醤油に漬けると変色するため、職人には好まれなかったと言われています。

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日本橋から延びる中央通りを脇道へ。江戸前寿司の味を今に伝える一軒の老舗があります。明治12年創業の「吉野鮨本店」。

日本橋に魚河岸があった頃、屋台を開いたことから始まった寿司店です。吉野さんは、5代目の店主。

戦後、道路交通と食品衛生の規制によって、屋台での営業は無くなったと言われています。寿司店のカウンターは、屋台で客を前に握っていた頃の名残です。開店から135年。受け継がれた仕込みの一つが、酢飯の作り方です。砂糖を使わず、赤酢と塩のみで作る酢飯は、江戸時代からありました。

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赤酢は酒粕が原料。酸味がまろやかで、コクのある風味が寿司飯に合うため、江戸前寿司には欠かせないものでした。コハダは、塩と酢で強めにしめるのが、この店の味。

下ごしらえしたコハダの握り一貫に、江戸前寿司の歴史と職人の技が息づいています。醤油、みりん、酒などを合わせて作った煮きりを塗ることで、寿司ダネの味を損なわずまろやかにします。屋台で生まれた江戸前寿司は江戸っ子の誇りです。

魚河岸があった日本橋で、今も職人の腕が冴える江戸前寿司。江戸の町人が愛し、郷土料理となっている握り寿司を、究めてみませんか?

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