放送番組審議会 │ Broadcasting Council
放送番組審議会議事録(書面開催)
第109回
会議室 :岩佐 英史 委員長
リモート :清水 敬一 副委員長、石黒 不二代 委員、西條 都夫 委員、 坂口 理子 委員、
村口 史子 委員、山﨑 妙子 委員
※原田 曜平 委員は動画データで、コメント提出
岡田制作局次長、石井編成部長 兼 視聴者センター長、(事務局:横川、定末)
議事概要:
①2021年度第3四半期の会社業績、および、2021年度通期の見通し
②2022年1月クールの視聴率
について報告した。
*編成局長から、
2021年10月から2022年3月までの放送番組の種別及び種別ごとの放送時間
について報告した。
*編成部長 兼 視聴者センター長から、
①2022年4月クールの基本番組表、
②2022年1月から2022年6月までの主な特番
③2022年1月から3月までの視聴者対応状況
④2022年1月から3月までのホームページのアクセス数
について報告した。
①『池上彰と歩く謎解き日本地図』
2022年3月27日(日) 19:00~20:55放送
- 地図というツールを使って、銀座の地名の由来などの知識が得られ、通常の街歩き番組とは違うBSテレビ東京らしい番組である。
- 街歩きと学習が重なると、ウキウキする感じがしなくなり、ちょっと重い感じになる。
- 寛永寺の門の穴ぼこや徳川慶喜が謹慎させられた部屋など、映像で見せられると歴史が実感を持って迫ってきて、テレビという媒体ならではの力を感じた。
- 中ソ対立のころの中国の地図には、北方領土が日本の領土として色分けされているなど、地図にはかつての歴史の痕跡が残っているという解説は興味深かった。
- 銀座のみゆき通りが、避難場所確保のために曲げられた話は面白かったが、関東大震災の前後で銀座がどう変わったか、東京の街がどう変わったかも知りたかった。
- 食事のシーンや、最後にあんみつを食べるシーンなど、必要なのかと疑問に感じた。
- 銀座と上野を巡るシーンでは、古地図との比較や、歩いている場所が分かり易くなるように、現代の地図をもう少し多用して欲しかった。
- 松重豊さんが出ていることでグルメは必要なのだとも思ったが、番組上のバランスが難しいなと思いながら見ていた。
- 清水ミチコさんの、最後に一言付け加える独特のナレーションについて、悪い意味ではないが、ちょっと余計なことが気になった。
- おじさん二人が都会を歩きながらいろいろなことを考えるというのは、とても良かった。
- 中国の昔の地図は、その時の政治状況、国際状況を表していて、地図を見る価値があるなと思った。
- 池上彰さんの番組は、本当に分かり易い。
- 松重豊さんとの掛け合いのテンポが非常に良かった。
- 清水ミチコさんのナレーションが面白かった。
- 後半に行くと流れがダラっとした印象を受けた。
- 昔の地図で、名前が玄関の向きに合わせて書いてあるのは見づらいと思ったが、現代と比較して考えさせられて楽しかった。
- 池上さんの地図コレクションは素晴らしかった。
- グルメはカットして『謎解き日本地図』に絞って、女性タレントが一緒に歩くような作りの方がいろいろな視聴者層が楽しめたと思う。
- 南京が首都だったときは、北京は別の名前で呼ばれていたという知識が得られてよかった。
- 寛永寺について詳しく見せてもらったので、一度見に行ってみたいと思った。
- 上野近辺に住んでいるので、非常に身近で、へぇと思うところがあって勉強になった。
- 『ブラタモリ』に近い番組で、二番煎じの感があり、斬新さは少なかった。
- 『謎解き日本地図』というタイトルなのに、世界地図が出てきたところに違和感があった。
- この番組を見ると何が得られるのかというテーマが非常に見えにくかった。
- 銀座の高橋洋服店の地図は、服部時計店、資生堂、当時の新聞社が載っていて面白かった。
- 銀座の路地では、隠れた何かエッと思うものが出てきて欲しかったが、なくて期待外れだった。
- 寛永寺の敷地は、彰義隊が上野戦争で敗れた結果、没収されて小さくされたというのは、なるほどと思った。
②『グロースの翼~350万社の奮闘記~』
2022年4月3日(日) 22:00~22:30放送
- 今回とりあげた会社は、頑張ったから良くなったというふうに見えて、どこが改善されたから勝てるようになったというような中小企業の多くに通じる共通項が見えてこなかった。
- 捨てる決断という経営の軸を見せてくれたと思う。
- 1時間以内の距離にある顧客だけに焦点を絞るというのは斬新な発想で、相当優秀な社長さんだと思う。
- 大企業と中小企業の間の不都合な真実、醜い実態が暴かれ、そういう意味でもジャーナリスティックに面白いと思った。
- 最後のイチゴの話題を出す必然性が疑問に思った。
- 途中、潤滑油の宣伝か通販番組なのかと思うような、綺麗な語り口で、綺麗にまとめられ過ぎているという印象を受けた。
- 社員の生の感じや、社長の感情が出てくる言葉が挟まれていれば、企業PRを超えた何かが見えてきたと思う。
- 1時間の範囲の顧客に絞って御用聞きをしているというのが、すごく面白いと思った。
- 自分で進んで見るかと言ったら見ないので、誰が見ることを想定しているのかが気になった。
- 私も進んで見ようとは思わないが、実際に見てみるとすごく面白かった。
- 自分の仕事にプラスになるということはないのだが、すごく「なるほど」と感じるところがあった。
- 1時間以内の顧客に絞るという転換、決断が大事なのだと思った。
- イチゴ農家の話が付け足してあって、あれが2社目になるのか気になった。
- 内容はとても面白く、知らない分野なので非常に勉強になった。
- 1時間以内の顧客に特化して御用聞き戦略を考えついたのは非常にすごいと思った。
- 飛躍のきっかけとなる大企業とのトラブルも、非常に分かり易くドラマティックな感じだった。
- 中小企業の成長を取り上げるのは、非常に社会的意義のある素晴らしいコンセプトである。
- 多くのビジネスマンが見たいのは、GAFAや最先端事例であり、下町の工場などでは、よほどの事例でないと対抗できないが、そのよほどの事例になっていなかった。
- 成長の肝が、御用聞き、信頼、一時間以内の距離というこの3つだけ聞くと、大正・明治、さらには江戸の商いにも通じるような話で、最先端感がなさ過ぎる。
- 顧客との距離が近いことが多くの企業のビジネスモデルになるという、普遍化できるような描き方があると良かった。
- 番組コンセプトは素晴らしいので、『下町ロケット』のように人の心を感動させることができる十分な素材があるので、是非描き方や手法を変えて素晴らしい番組にして欲しい。
- やっていいことと悪いことがあるということを、大企業の購買担当者たちにしっかり見て感じて欲しい番組だ。
- 御用聞きやカスタマー第一主義は古くさいことではあるが、このような基本が、ある意味、今でも通じ、次の時代にも通じるということが伝わるように、番組スタッフは見せ方を考えないといけない。
BSテレビ東京の放送番組「BSテレ東EYE」で2022年5月1日(日)5時30分から5時36分の間に放送された。