放送番組審議会 │ Broadcasting Council
放送番組審議会議事録(書面開催)
第125回
岩佐 英史 委員長、石黒 不二代 委員、西條 都夫 委員、原田 曜平 委員、眞鍋 かをり 委員
(清水副委員長、村口委員は動画で意見提出、坂口委員は書面での提出)
中村編成局次長 兼編成部長 兼視聴者センター長、神山制作部長、
編成局編成部 福田浩平・藤野大河
議事概要:
2025年度第3四半期の会社業績、業界の動向、BS4K等
について報告いたしました。
*取締役 編成局長から、
2025年10月から2026年3月までの放送番組の種別及び種別ごとの放送時間
について報告いたしました。
*編成局次長 兼編成部長 兼視聴者センター長から、
①2025年度の視聴率総括
②2026年4月クールの基本番組表
③2026年1月から2026年6月までの主な特番
④2026年1月から3月までの視聴者対応状況
⑤2026年1月から3月までのホームページのアクセス数
について報告いたしました。
①日経スペシャル マルコ・ポーロの未来地図~明日につなぐ、ニッポンの勝ち筋~
2026年2月20日(金)21:00-22:09放送
- 情報に特化するのか掘り下げるのか、どちらかに振り切れずどっちつかずになった印象がある。個人にスポットを当てるコーナーについては、もう少し色を出したほうが良いのではないか。
- 「ウェザーニュースLiVE」が過去の事故を経て、世界的企業に情報提供するまでになったことは素晴らしい。アサヒユウアスの「海で溶けるグラス(酢酸セルロース)」の研究は、環境再生の取り組みとして評価できる。
- ソフトバンクと安川電機のタッグのように、自社でできないものを補い合う流れは今後の日本企業の主流になると感じ、期待が持てた。
- 米国の無人タクシーの事例と比較しても、ソニーとホンダの40台のカメラによる安全確認システムは人間より安全ではないかと感じた。地域の路線バスなど、人手不足をAIに頼ることは非常に良いことだと思う。
- 海にかえる素材のグラスは、かつての土に還るゴルフティーを想起させ、非常に素晴らしい。細かいところに手が届くのが日本企業の良さであり、国が支援することで世界に対抗してほしい。
- 中央集権的なモデルではなく、基地局(エッジ)で簡易AIを用いて処理する「エッジ処理」のトレンドがここまで来ているのかと驚いた。ソフトバンクと安川電機という取り合わせの妙があり、非常に面白かった。
- 「ニッポンの勝ち筋」を謳うならば、世界との比較(日本が勝っていても世界がより進んでいれば負けるため)の視点がもっと欲しかった。取材に基づき「ここに希望がある」と示す試みは素晴らしく、続けてほしい。
- 人手不足をAIで補うというテーマは非常に良く、これだけで番組を構成してもいいほど重要である。「勝ち筋」への疑問を提示された事例に、あまり「勝ち筋」が見えなかった。
- 「日本のものづくりは本当はすごい」という精神論だけでなく、商業ベースに乗っているものを紹介しており、希望が持てる内容だった。
- VTRの専門家(ソフトバンクの方)が最後までスタジオに残り、他社の事例にもコメントするスタイルは、専門的な視点からの意見が聞けて非常に良かった。
- 一般向け番組として、AIという破壊的技術の使い方を平易に説明しており、良質な番組だと感じた。
- 人口減少社会において、デジタルとAIが発展すれば「それほど人手はいらないのではないか」という自身の問題意識に合致しており、良い番組だと思った。
- 今後は大企業同士のコラボや中小企業の技術力、さらには47都道府県を越えた「三百余州」規模の多様な地域文化と観光資源を深掘りしてほしい。
②田舎で探す!憧れ移住ハウス
2026年3月3日(月)19:00-21:00放送
- 「家」という一つのテーマにこだわって移住を見せる独自の切り口が新鮮だった。他の移住番組とは違う個性を出せていた。一方で、同じテーマの手法を重ねていくため、2時間というボリュームでは似たような情報の羅列になり、広く浅く見飽きてしまう印象を受けた。
- 南相馬市は子育て世代に人気の地域だが、震災後に戻れない人がいる現状は残念に思う。
- 移住者と地元民の摩擦など、マイナス面も紹介するとより良かったのではないか。2時間は少し長く感じた。
- 地方移住における根源的な問題は「女性人口の減少」であり、女性が住みやすい街(素敵なカフェ、30分単位で預けられる安価な託児所等)の成功事例を取り上げるなどの、深掘りがあっても良かったのではないか。
- 3人の案内役と様々な家・場所が登場し、東京目線では気づかない「日本の多様性」を感じさせてくれる面白い番組だった。
- 西条市に移住したサラリーマン世帯の例では、子供の中学受験・教育機会の喪失をどう考えているのかという情報が欲しかった。可能であれば、移住者の勤務先などの情報も提供してほしかった。
- 水道代無料などのインセンティブが高すぎると、納税能力のない層が集まってしまうという「負の側面」への問題意識も感じた。
- 人口移動という大きな社会テーマに対し、「家」にフィーチャーした『憧れ移住ハウス』というタイトルとコンセプトは素晴らしい。コンセプトが良いだけに、紹介された家が「田舎ならその程度の価格だろう」という驚きに留まり、住みたいと思わせる圧倒的な魅力(リノベーションの工夫やデザイン性等)に欠けていたのが残念。
- 西条市の水は「うちぬき」という天然水であり、それで洗濯や風呂も賄えるという強みをより強調すべきだった。地域性を出すために「方言を話す地元の人」を登場させてほしかった。
- 昔と違い、今は移住者がコミュニティに溶け込める環境(おしゃれなブルワリーでの交流等)がある。そうした安心感を見せることで他番組との差別化ができると感じた。
- 田舎生まれのため価格には驚かないが、地方の住居費の安さは魅力的であり、若年層が多様な生き方を検討する上での参考になる、非常に楽しめる内容であった。視聴者に新たなライフスタイルの気づきを与える番組だった。
- 移住において最も懸念されるのは医療や教育といった生活インフラ。憧れだけでなく、こうした現実的な困り事に関する情報をしっかりと入れるべきと感じた。