外交とは右手で握手をして左手で殴る用意をしておく。
戦後最悪といわれる日韓関係。そんな中、安倍総理は今月4日訪問先のタイで1年1カ月ぶりに、韓国の文在寅大統領と約11分間やり取りをした。通訳のみを交えて話し合ったということは、11分間のうち中身は5分くらいか。
このやり取り、やり取りであって決して「首脳会談」とは言っていない。で、両国政府が報道陣への伝え方が変わってくる。韓国側は「非常に友好的な雰囲気の中で"歓談"した」と報じている。この「歓談」を広辞苑で調べてみると「打ち解けて親しく語り合うこと」。
一方で日本側は「対話」という言葉を使っている。対話とは「向かい合って話すこと」両国の温度差がうかがわれる。
「歓談」と「対話」この表現だけでも徴用をめぐる問題で日本側は一歩も譲らない姿勢ということがわかる。
そして、韓国政府が公開したやり取りの1枚の写真。日本政府側からの写真は公開していないということは本当に急なやり取りだったことがうかがわれる。専門家の中には写真を見て「韓国側があえて小さなソファーに座らせ安倍総理と文大統領を接近させ、親密な関係であるような演出をしている」といった分析もあった。たった11分間のやり取り中で外交の駆け引きが繰り広げられている。
これを機に日韓関係は雪解けに向かっていくのか。
GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の期限まで残り約半月となった。アメリカからのプレッシャーもある。果たして韓国側はどのような判断をするのか、日経プラス10の特集コーナーで2夜連続で日韓関係の行方についてお伝えします。
日経プラス10プロデューサー
酒見 幸浩
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