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プロデューサーの目

2019年3月8日(金)日韓「胸と頭の間」の葛藤 岸本好正

 先月末から今月初めにかけて、韓国に行ってきました。3月1日に現地から生中継でお伝えしたように、日本の植民地統治時代に独立を訴えた1919年の「三・一運動」から 100年を記念して、韓国内では様々な行事が繰り広げられました。ソウル中心部の光化門(グワンファムン)広場で行われた政府記念式典の会場付近で取材しましたが、大勢の市民が韓国国旗を掲げ、万歳三唱しながら大通りを埋め尽くして行進するのを目の当たりにしました。

 ところが、式典会場から直線距離で1キロメートルほどの、ソウルきってのショッピングエリア、明洞(ミョンドン)では、日本からの観光客のにぎわいは変わりませんでした。「日付は、あまり気にしなかった。(政府間の対立とは)別物」。韓国人に混じって喫煙所でくつろぐ夫婦は屈託がありません。

 一方韓国からも「三・一運動」 100周年を大々的に盛り上げるムードをよそに、日本に多くの観光客がやってきたようです。現地メディアの報道では、今年は「三・一節」(三・一運動を記念した韓国の祝日)が金曜日となって3連休となり、普段の連休よりも訪日客は多かったということです。去年の日韓両国の往来は1000万人を超えました。(韓国から約 750万人、日本から約 300万人)

 「日韓の往来1050万人に、歴史問題や領土問題は一切ない。だから、胸では愛している。でも歴史や領土を考えると。頭は痛くなる」

 韓国の大手紙、東亜日報で政治取材を担当し論説委員、東京支社長などを歴任、韓国政府放送通信委員会の副委員長(次官級)も務めた金忠植(キム・ジュンシク)氏は「日経プラス10」の取材にこう答えました。日韓の政府間の関係は1965年の国交正常化以降で最悪、といわれる一方で、経済面での結びつきや人々の交流は、もはや逆戻りできないほど深まっています。簡単に解けない「胸と頭の葛藤」を抱えながら、付き合っていくのが日韓両国の運命です。一筋縄ではいかない複雑な関係を読み解く糸口を、「日経プラス10」は経済を切り口としながら探っていきます。


日経プラス10キャスター
岸本好正


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