テレビ東京グループの六本木3丁目への本社移転に伴い、「日経プラス10」のスタジオを一新したのが11月7日。およそ4週間が経過して、スタッフも新しい機材に慣れてきました。今後とも引き続き、応援よろしくお願い申し上げます。
とりわけ、視聴者の皆様から反響があったのが、11月16日から3夜連続でお届けしたトークプラスの企画「シリーズ年金」でした。リタイア世代だけでなく、現役世代にも気になるテーマのようで、幅広い層に視聴していただきました。以下は、そこで得た結論を簡単にまとめたものです。
(1) 現在55歳の人が80歳になった時に受け取る年金の額は、現在80歳の人が受け取っている額の約7割に減る見通し。受給開始年齢が65歳からさらに引き上げられる可能性も高い。
(2) 基本給の減少、勤続年数の短期化などにより退職金の平均支給額は減少の一途をたどっている。退職金制度そのものを廃止する企業も増えている。
(3) 通常、65歳で受け取る年金の受給開始年齢を70歳まで繰り下げると、毎月の受給額は約4割増える。平均寿命の上昇を考慮すれば、元気で働ける人は、70歳まで繰り下げた方がよい。
(4) 定年を延長させる方策は、再雇用制度を利用して今の会社に勤め続ける、他の会社に転職する、起業する、の3つ。このうちリスクは伴うが、起業で成功すれば、事実上、定年はなくなる。
(5) 老後生活に備えるなら、掛金が所得控除になる、つまり節税になる個人型確定拠出年金を有効に使うべき。この制度は2017年1月から加入対象者が大幅に拡大する。
要するに、元気なうちは、定年を伸ばして働き、年金受給開始年齢を繰り下げることが、最大の生活防衛になる、というのが結論でした。
私がこの年金シリーズで一番記憶に残ったのは、11月18日にゲストでご登場いただいた、経済コラムニストの大江英樹さんが紹介した、「サザエさん」の例えでした。一家の主である磯野波平さんの年齢は54歳(永遠の54歳です)。ただし、番組の放映が開始された1960年代は、年金の受給開始年齢が55歳。男性の平均寿命がおよそ65歳でした。つまり、波平さんは、定年を迎える1年前の設定で、平均余命が11年残されていたということになります。
これを現代に置き換えると、現在の男性の平均寿命は約81歳ですから、平均余命の11歳を差し引くと、波平さんは70歳。定年は71歳ということになります。大江さんは「波平さんを例にとると、健康なうちは働いて、70歳から年金を受給するというのは、決して無理な話ではない」と結びました。
確かに、言われてみれば、波平さんの風貌は、現在の70歳くらいに見えます。現在の70歳は当時の54歳に相当すると思えばよいということでしょうか。私は51歳。これからは、35歳になった気分で、頑張りたいと思います!
日経プラス10キャスター
山川龍雄
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