9月後半あたりから吹き始めた風が、10月に入ってますます強くなり、もはや止まりそうもありません。
東京・永田町から吹き始めた衆議院の解散風は、年明けあたりに日本列島に押し寄せる見通しです。関係者に取材したところ、1月16日、通常国会の冒頭で解散、2月19日に投開票というスケジュールが有力です。
解散の大義名分は、12月15日予定の日ロ首脳会談で進展がありそうな北方領土問題です。2島返還、共同統治案など水面下でいろいろな観測がありますが、首脳会案の成果の信を問うという形で選挙になだれ込むという流れです。
10月23日には東京と福岡で衆院の補欠選挙があります。いずれも自民党候補の優勢が伝えられています。民進党の支持率は伸びず、日本維新の会から民進党に合流した議員は、橋下徹さんの後ろ盾がない次回選挙は苦戦が予想されます。日ロ首脳会談の成果を持って選挙戦に突入すれば、与党は勝てると官邸筋が考えても不思議ではありません。
もし来年2月に選挙となれば、自民党の安倍晋三総裁にとって3回目の衆院選になります。2012年12月と2014年12月、過去2回の選挙では、投票日の4カ月前から株価が上昇しました。12年は7%程度、14年は13%ほど日経平均株価は上昇しました。平均すると10%ちょっとです。もし今から4カ月後に選挙になると、現在の株価水準を起点に計算した日経平均は1万9000円前後になります。かねて番組などで1ドル105円なら年末1万8000円、110円なら1万9000円と言っていましたが、だいたい符合する水準になります。
選挙になると、与党は様々政策を打ち出します。投票日に向けて株価が下がらないよう、公的資金などの買いが見込めるという説もあります。過去の選挙前の相場では、外国人投資家の存在感が強まりました。今回も9月まで6兆円超売り越していた外国人が、10月1週目、2週目と買い越しに転じました。
さて、今回の表題ですが、風が吹いてもうかるのは誰か。桶屋か安倍総理か。
解散風が吹いたら投資家がもうかる。そんな図式を期待したいですね。
日本経済新聞 編集委員兼キャスター
鈴木亮
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