先ごろ、厚生労働省が2015年の日本人の平均寿命を発表しました。女性87.05歳、
男性80.79歳で、いずれも過去最高を更新しました。国・地域別に見ると、世界1位は
男女とも香港でしたが、人口1億人を超える大国で上位にいるのは日本くらいです。
長寿大国の地位に変わりはありません。
7月27日の番組内でもお話ししましたが、このニュースを聞いて、7月15日のトーク
プラスを思い出しました。テーマは「70歳まで年金を受け取らない選択」。ゲストで
お招きした経済コラムニストの大江英樹さんの話を要約すると、以下のようになりま
す。「通常、65歳で受け取る年金の受給開始年齢を70歳まで繰り下げると、毎年の受
給額は約4割増える。損得勘定で言えば、81歳まで生きれば、累積受給額は65歳から
受け取った人よりも多くなる。平均寿命を考慮すれば、元気で働ける人は、70歳まで
繰り下げた方がよい」。
この日の反響は大きく、多くの人に視聴していただきました。とりわけ女性が高い
関心を寄せていました。そして、平均寿命のニュースを聞いて、なぜ女性の関心が高
いのか、合点がいったのです。冒頭に示した通り、平均寿命の男女差は6.26歳ありま
す。夫婦なら、夫を亡くした後に妻は6年以上生きることになります。実際には平均
初婚年齢に男女では1.7歳ほどの開きがありますから、妻の「おひとりさま」期間は
平均8年となります。
また、厚労省によれば、90歳まで生存する割合は、女性が49.1%、男性は25.0%。
女性はおよそ半数が90歳まで生きる時代になりました。年金の受給開始年齢を65歳
とすると、女性の半数は25年間にわたって年金のお世話になるわけです。ちなみに、
夫が先立てば、通常、妻は遺族厚生年金をもらいます。年金の種類や支払い期間など
によって事情は変わりますが、受け取れる金額の目安としては、夫が受給していた老
齢厚生年金の4分の3程度。つまり夫がどの程度年金を受給しているかは、夫が亡くな
った後の妻の生活にも直結します。以上のことから、女性が男性以上に、年金にシビ
アになるのは、当然なのです。
私は番組で「老後資金の貯め方や使い方については、夫は妻の意見に従いましょ
う」と結びました。このテーマについてはとても関心が高いので、引き続き番組で取
り上げていく方針です。
さて、このメールが皆様のもとに届くのは金曜日。ちょうど日銀の金融政策決定会
合の結果が出ている頃だと思います。追加金融緩和があるかどうか、気になるところ
です。金曜日はこの他にも、企業決算が最初のピークを迎えます。公的年金を運用す
る年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年度の運用実績を発表する予定も
あります。欧州銀行監督局による、EU加盟国の大手51の銀行を対象にしたストレス・
テスト(健全性審査)の結果も公表されます。イベント続きでマーケットの動きから
目が離せません。
さらに翌週は、先ごろ安倍総理が「事業規模で28兆円を上回る」と宣言した経済対
策が閣議決定されます。内閣改造人事も予定されています。そして、忘れてはならな
いのが、日曜日の東京都知事選。現在のところ小池百合子氏のリードが伝えられてい
ますが、当日の天候と投票率が結果に大きく影響しそうです。すべての投票所を「ポ
ケモンGO」の拠点にすれば、投票率は跳ね上がりそうですが、おそらく与党は嫌がる
でしょう。怒涛の1週間。それぞれのイベントに注目し、しっかりと番組でフォロー
していきます。
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