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ニュース報道の心

2016年3月25日(金)「上向き 前向き 外向き」 ニッポン再成長へ富士フイルムHD 古森氏の提言

 今回はプロデューサーの武田が担当しました。日本は内向き志向になっていないでしょうか?日経プラス10が3月22日に都内で開いた番組のイベント「日経プラス10 Conference 2016日本再成長の道」で、富士フイルムホールディングスの古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO)が発した一言が印象的でした。


 古森氏の目からは日本人が守りに入っていると映るのでしょう。日本が再び成長す
るには何が必要かという番組の問いかけに、古森氏の提言は「上向き 前向き 外向
き」というものでした。


 古森氏はトークの中で「会社は未来志向でないといけない」とも語りました。経営
者が一度成功すると現状維持の姿勢を強めてしまい、守りの姿勢をとるようになりが
ちです。未来に向け「マインドチェンジが必要」と強調した古森氏。日本企業は個々
の強さ、優れた組織、企業文化などいいところがたくさんあるとして「自信を持ち、
世界に打って出よう」と呼びかけました。600人ほど入る日経ホールをうめた来場者
のみなさんは、古森氏の穏やかに紡ぎだされる言葉にじっと耳を傾けていました。


 トークテーマは「イノベーティブな企業改革」でした。富士フイルムの歴史はまさ
に改革の歴史。かつて写真フィルム事業で世界トップを争っていたにもかかわらず、
医薬、化粧品などヘルスケア分野に経営の軸足を移しました。今、デジカメの普及に
よって写真フィルム市場は縮小。デジタル時代へ、先を読む目が会社を再成長に導き
ました。


 古森氏は医薬や化粧品について「技術がフィルムと近いところがある」と笑ってい
ましたが、簡単なことではありません。改革で遅れてしまい、経営が行き詰まった米
コダックとの比較は、経営の教科書にたびたび取り上げられています。


何がコダックとの明暗を分けたのかとの問いに、古森氏は1月、日本経済新聞のイ
ンタビューで、「決断力ではなかったか」と答えていました。「デジタル技術が登場
した時、『来るものは来る』と私は考え、迷わずカジを切った。コダックはどこか優
柔不断に見えた。あのような状況に直面して必要なのは果断に動く『勇気』だと改め
て感じた」と。


 番組のイベントでは、オーナー経営者にみられるような強いリーダーシップとスピ
ード感ある動きを見てきた山川龍雄キャスターの問いに、古森氏は「ゴールを決
めて決断する。やるしかないじゃないですか。心を決めるのは難しくない。何が何で
もやるということ」。妥協せずやり抜き、視線の先にあるのは常に世界。まさに「上
向き、前向き、外向き」、未来を志向する経営哲学にふれることができました。


 イベントでは、トヨタ自動車の出身で中小企業基盤整備機構の理事長、高田坦史
氏、九州の素材だけを使った九州パンケーキで知られる一平の代表取締役、村岡浩司
氏がそろって登壇。そして、三越伊勢丹ホールディングス社長の大西洋氏に日本再成
長へ向けて小売りの立場で語っていただきました。


 ニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの矢嶋康次氏、日本経済新聞の滝田洋一編
集委員のマーケットの見方も盛り上がりました。いつものスタジオとは一味違い、臨
場感あふれる「生放送」となりました。ゲストのみなさんの熱い思いが伝わったとし
たら、番組スタッフ一同、うれしい限り。4月の番組リニューアルにも力が入ります。


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