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ニュース報道の心

2016年1月15日(金)「まさか」を急降下、悪夢の新年相場に思う 鈴木亮

 上り坂、下り坂、そしてまさか。人生に3つの坂があると、よく言いますが、年明
けのマーケットは、世界中の投資家が「まさか」と思っていることでしょう。


 緊迫化する中東情勢、減速懸念の中国経済、下落が続く原油相場など、昨年末から
認識はしている懸念材料でしたが、新年早々、一気にそろい踏みという形になりまし
た。日本固有の売り材料はほとんどないのですが、日経平均株価の下げ幅は2週間で
一時、2000円を超えました。


 このまさか、どこまで転げ落ちるのか。市場関係者の間では日経平均で1万6000円
までの下落を予想する声が増えています。


 日本株が下げた理由はたくさんありますが、円高が大きな要因だったと思います。
中国人民安を起点とする円高が1ドル116円台まで進み、企業が業績予想を立てる上で
想定する水準(118円)を上回ってしまいました。


 私も年初の急落は予想外で、正直、茫然自失といったところですが、そろそろ、い
いところまで来ているような気もします。


 理由の1つは、ここへ来て、円高の起因になった元安が、どうやら一段落とのムー
ドが出てきたことです。少なくとも中国政府が意図的に元安を誘導していることはな
さそうで、この先、米国の利上げが視野に入ってくれば、円高の流れも一服するので
はと、期待しています。


 原油安は米国株には痛手ですが、石化燃料を年間28兆円輸入している日本にとって
は、むしろメリットもあります。


 また、騰落レシオがアベノミクス相場で最低の水準になるなど、様々な投資指標も、
底入れ近しとのシグナルを発信しています。


 個人的には、日本株はいつ底入れしてもおかしくないと、思っているのですが、世
界を覆う過度のリスクオフムードが落ち着くには、ある程度、時間がかかるでしょう。


 流れが変わるタイミングはいつごろか。私は月末かなと思います。まず、3月期決
算の第3四半期業績開示で今期業績の底堅さを改めて確認できれば、安心感が出てく
るのではないでしょうか。


 さらに、円高株安が進んだことで、1月29日の日銀金融政策決定会合で、追加の金
融緩和への期待が高まる可能性があります。実際に日銀が動かなくても、追加緩和へ
の期待感は相場の下支えする要因になってくれるはずです。


 今年の相場は始まったばかり、まだ先は長いです。スタートでずっこけたのは間違
いないですが、中長期の見通しまでも悲観論に転じるのは、ちょっと早いのではない
でしょうか。

               (日本経済新聞社編集局 編集委員兼キャスター)


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