この番組はBSテレ東4K(4K 7ch)で
超高精細な「ピュア4K映像」をご覧いただけます

2019年6月14日(金)ロバが番をする国境で考えたこと 野田匠

 アイルランドの首都ダブリンから北へ、およそ100km、イギリス(北アイルランド)との国境を訪ねました。「最もわかりやすい国境(the most visible border)に連れていくよ」と、強烈なアイルランドなまりのタクシー運転手に案内されたその場所にあったのは、アスファルト舗装の継ぎ目、両替店の看板、そして、和平合意以前に検問所として使われていたという小屋です。周囲に人通りはなく、注意していなければ見逃してしまいそうです。(グーグルマップでご覧ください→https://goo.gl/maps/P9uYTwvtFXHu9bk49 ※ストリートビューに写っている小屋には現在ビニルシートの広告が被せてあります)地図上で国境をたどると、その線はあまりにも複雑です。
いったいなぜか、理由は運転手が次に案内してくれた場所でわかりました。「国境」は牧場を区切る「生け垣」でした。牧場(個人の敷地)の境が「北か南か」の境になっているようです。付近を散策していると、あの独特な雄叫びを上げながらロバが近づいてきました。とても人懐っこく、まるで取材班の訪問を歓迎してくれているかのようでした。


 さて、イギリスで与党・保守党の党首選が始まりました。議員投票と党員投票を経て7月下旬には新しい党首=新首相が決まる見通しです。今のところ強硬離脱派のボリス・ジョンソン氏が優勢というのが一致した見方のようです。イギリスとEU(ヨーロッパ連合)は「物理的な国境」を復活させないことで基本合意していますが、仮に「合意なき離脱」となると状況は一変します。ロバが番をするのどかな国境に、再び検問所が設けられる可能性すらありそうです。


 毎週金曜日にお送りしている「グローバルビュー」は日本経済新聞、日経ビジネス、テレビ東京の在英記者がフィナンシャル・タイムズの記者にインタビューする人気コーナーです。最近の話題はもっぱら「ブレグジット」。最新事情を現地の空気感を交えて解説していますので、ぜひご覧ください。ちなみに今夜(6月14日)は、日本経済新聞の赤川省吾編集委員とフィナンシャル・タイムズの記者が出演予定です。


日経プラス10プロデューサー
野田匠


記事は日経プラス10クラブ会員向けのメールマガジンで毎週金曜日に配信しています
詳しくはこちら

次へ 前へ コラム一覧へ