日経おとなのOFF
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おとなの旅
2014.10.17
岩手県 花巻
花巻は、宮沢賢治が生まれ育った地。今も、作品の世界に浸れる景色が残されています。彼が見た風景と出会う旅へ出かけ、星が輝く夜空を見上げてみませんか?
岩手県花巻。
県のほぼ中央に位置し、北上川が平野をゆるやかに流れる街です。
童話「銀河鉄道の夜」や遺作の詩「雨ニモマケズ」などで知られる宮沢賢治は、花巻で生まれ、東京での暮らしを経た後、再びこの地で晩年を過ごしました。
市内の至る所で、縁の建物や記念碑を見ることが出来ます。
「宮沢賢治記念館」。館内では、賢治の作品の魅力を多くの人に伝えるため、自筆の原稿や愛用の品などを展示しています。
病に倒れ、37歳でこの世を去った宮沢賢治、彼は、作品の執筆だけに留まらず、音楽や絵画などの芸術から、天文学、科学や農業の研究に至るまで、その才能を多岐に亘って発揮した人物でした。
市の南、北上川と豊沢川が交わる地にある、「賢治の森」。
ここは、彼が自ら農民となり、自給自足の一人暮らしを始めた場所です。
森の一画には、遺作の詩「雨ニモマケズ」が刻まれた石碑が建っています。
賢治が生きた時代、農民たちは、日照りや冷害などの過酷な自然に翻弄されていました。それでも尚、直向きに働く姿に、賢治は深い愛情を抱き、自らも農民生活を送る中で詩を記したのです。