日経おとなのOFF
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ホンモノ物語 上質なモノに秘められた歴史やこだわりのエピソードを紐解く
銅製如雨露
美しい光沢を持つ、銅で作られた如雨露。軽さや使いやすさが追求されるこの如雨露からは優しく、やわらかい雨のような水が流れ出ます。盆栽のために考案された銅製如雨露。使う人のためを思い、追求された品質、職人のこだわりを是非一度、お試しください。
東京都墨田区にある、根岸産業。
1944年。神社仏閣の屋根職人であった初代が、トタンやブリキ製品の会社として創業。二代目が、試行錯誤を重ね、耐久性に優れた、銅製如雨露を完成させました。
三代目の洋一さんはシステムエンジニアの仕事を辞め、技術を引き継ぎました。
銅製如雨露のデザインは柄杓がイメージされています。そのため、和の心を愛する欧米諸国の盆栽家からも多くの注文が入ります。丈夫で長持ちなのが人気の秘密。耐久性に優れた金属である、銅を使っているので、メンテナンス次第で、二十年から三十年は持つそうです。
以外にも、銅を使用する利点があります。
生育に適した水は雨水。水瓶に貯めた雨水を柄杓のように汲む際、ゴミが入らないように、「こし網」を付けています。
如雨露づくりに使用する機械は、創業当時のもの。根岸産業の3代に渡るものづくりを支えてきました。竿と呼ばれる長い筒状の部分。銅板の両端部分を折り曲げます。重ね合わせて押しつぶすことで接合部の強度が高まります。
竿の型に合わせ、手で銅板を巻き、筒状にします。