日経おとなのOFF
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ホンモノ物語 上質なモノに秘められた歴史やこだわりのエピソードを紐解く
江戸指物
鉄の釘を一本も使わずに組み立て作る指物。今宵は経験を頼りにノミを使いこなす江戸指物職人の技に迫ります。指物づくりで最も重要なのが板を接合する行程。寸分の狂いもない職人の技が証明されます。つなぎめが見えないように美しく仕上げた、江戸指物。職人の技をその目で確かめてみてはいかがですか。

東京、台東区にある江戸指物の専門店、茂上工芸。
三代目の茂上豊さんは、江戸指物を作り続けて40年です。指物とは、鉄の釘を使わずに、板を繋ぎ合わせて作る家具や調度品。
江戸指物は、過剰な飾りを廃し、木目を活かしたシンプルなデザインが特徴です。指物づくりで最も重要なのが、板を接合する工程。
江戸指物の場合、板の接合方法は、50種類以上あります。
その中で、茂上さんが得意とするのが、つなぎ目を外に出さず、頑丈な作りに仕上げる、留型隠蟻組ほぞ(とめがたかくしありくみほぞ)。限られた職人にしかできないというその技を見せてもらいます。

数種類のノミを使い分けて、「ほぞ」と呼ばれる接合部分を削り出します。ほぞの幅は、目分量で決めます。
次に、ほぞを台形に削ります。台形にすると、ひっかかりができて、抜けにくくなります。最も抜けにくい角度は、72度から73度だそうです。

両端のほぞの幅を狭くするのも、抜けにくくする秘訣。続いて、もう一方の板にほぞをいれる穴を作ります。ほぞに沿って下書きの線を引き、ノミで削ります。
ここまで、ほとんどの作業が目分量。経験だけが頼りです。接合の瞬間。寸分の狂いもない職人の技が証明されます。ほぞとほぞ穴が、かみ合い、2枚の板が組み合わさりました。




