日経おとなのOFF
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ホンモノ物語 上質なモノに秘められた歴史やこだわりのエピソードを紐解く
2014.05.08
十三や つげ櫛
やすりに使うのはサメの皮。これで大まかに歯を作っていきます。1枚の板でも、場所によってわずかに固さが異なるため、微妙な力加減の調節が必要となります。たよりは、職人の経験。
次に歯の付け根を削る根摩り(ねけずり)という作業。根元にカーブをつけて、髪のひっかかりを防ぎます。続いて、歯の先端部分。歯が仕上がったら、次は櫛の形に整えていきます。
仕上げに使う鹿の骨。これで櫛につやを出します。
材料のつげの板から、3ヶ月以上かけてようやく完成した一本。使い込むほどに、飴色に輝いてきます。
木を育てるところから始まる、こだわりの逸品。職人の技が詰まった一生もののつげ櫛を試してみてはいかがですか。