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ニュース報道の心

2020年2月28日(金)「THIS IS アメリカ」を求めるトランプ氏 酒見 幸浩

 「今年のアカデミー賞はひどかった! 韓国とは貿易で十分すぎるほど問題を抱えている」。韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が外国語映画で初めて最高の栄誉である作品賞を受賞したことに、トランプ米大統領がご不満の様子。大統領選の再選に向けたコロラド州での支持者集会での一幕です。因みにトランプ大統領推薦の映画は「風と共に去りぬ」(1939年)「サンセット大通り」(1950年)とのことです。


 大統領の怒りの矛先はまだありました。助演男優賞の受賞スピーチで大統領弾劾を支持したブラット・ピットさんのことを「小さくてこざかしい奴」と悪態をつくことを忘れませんでした。想像するに、トランプ大統領は24時間耐久レースにかけたタフな男たちを描いた、まさに"THIS IS アメリカ"と言える「フォードVS.フェラーリ」に作品賞を取ってほしかったのではないでしょうか?


 映画の祭典にためらうことなく「米国第一」を持ち出すトランプ大統領。米韓両国は在韓米軍駐留経費の韓国側負担を巡り6回の交渉を重ねていますが、合意には至っていません。トランプ大統領は韓国の米軍基地で働く韓国人労働者を無給の休職扱いにするとほのめかしています。日本は他人事でありません。トランプ大統領が日本に対して在日米軍の駐留経費を4倍の約8700億円に増やすように要求していると報じられています。


 一方、あからさまに肩入れされているのがイスラエル。トランプ政権が1月末に出した「中東和平案」にはイスラエルとパレスチナの双方が帰属を争うエルサレムについて「イスラエルの主権下にある首都であり、分割されることはない」と明記しています。「中東和平案」は支持基盤であるアメリカ国内のキリスト教「福音派」などへの配慮と言われています。「パラサイト」批判も、ハリウッド映画界に多いユダヤ系アメリカ人を味方につけようとしたと読み取ることができそうです。


 いよいよ3月3日は大統領選の民主党候補者選びのための予備選・党集会が集中する「スーパーチューズデー」です。トランプ大統領と誰が戦うこととなるのか"THIS IS アメリカ"の顔となるのは果たして誰なのでしょうか。自国第一主義がはびこる今の国際情勢。「日経プラス10」はより深く、わかりやすく伝えていきます。


日経プラス10プロデューサー
酒見 幸浩


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