主要7カ国(G7)の財務省・中央銀行総裁が緊急で電話協議を開き、協調して新型コロナウイルスによる景気下振れに対応する方針を決め、間髪入れず米国が緊急利下げに踏み切りました。パニック的な株安に対して大国どうしが連携を示して危機を防ぐ...。金融危機以来といえる劇的な対応で舞台回しをつとめたのは議長国である米国のムニューシン財務長官ですが、その背後にはトランプ大統領の影を感じずにはいられません。
就任以来、好景気の米国にさらなる大規模減税というカンフル剤を打ち、さらには中銀の独立性を侵してまで米連邦準備理事会(FRB)に利下げを強く要求してきたトランプ氏。それもこれも自らの最大の政治資産である株高を守り、秋の大統領選での再選を確実にするためでしょう。そんなときに中国発の新型コロナが世界の金融市場を揺るがし、米景気を下押しする懸念が浮上。トランプ氏にしてみればまさに想定外であり「コロナ憎し」でしょう。ある意味、民主党予備選でリードが伝えられるサンダース氏やバイデン氏より怖い相手かもしれません。脅威に対して最大限の強い姿勢でのぞむ。その第一矢がG7の協調行動であり、異例のスピードで利下げが決まったのも腑に落ちます。
日本も対応を迫られそうです。各国の緩和競争に手をこまぬいていると一気に円高が進むリスクがあります。すでに市場では日銀の次の一手を催促するような動きも出ています。新型コロナの影響で売り上げが減少した中堅・中小企業の資金繰り対策も必要。いずれにしろ、今来週は新型コロナの感染拡大を受けた各国の対策が最大の焦点となりそうで、こうした動きをニュースや特集で丹念に報じていきたいと思います。
日経プラス10プロデューサー
森松 博士
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