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ニュース報道の心

2017年2月10日(金)トランプ政権の懲りない面々 鈴木亮

 10日の安倍総理による米国訪問と日米首脳会談に注目が集まっています。日本を為替操作国とまで言い放ったトランプ大統領、貿易不均衡でも自動車をやり玉にあげるなど、相変わらずの無軌道ぶりです。首脳会談で安倍総理は成果を得ることができるか、関心が高まっています。


 トランプ政権と言えば、閣僚人事の議会承認が進まないのも話題です。8日は教育長官のベッツィー・デボス氏の承認で賛成、反対が50票ずつとなり、上院議長を兼ねるペンス副大統領の1票でようやく決まり、話題になりました。


 デボス氏はキリスト教原理主義者としても知られ、宗教の授業がないことを理由に、公立学校などいらないと発言しています。そんな人が教育長官で大丈夫かと思っていたら、案の定もめました。


 大丈夫かと思う閣僚候補はまだまだいます。エネルギー長官候補のリック・ペリー氏は、エネルギー省は米国のエネルギー産業の役に立っていないと、同省廃止論者でした。厚生長官候補のトム・プライス氏は、公的医療保険にずっと反対の立場です。環境保護局長官候補のスコット・プルイット氏は、環境規制が企業活動を阻害していると、環境保護規制に反対してきました。


 労働長官候補のアンドリュー・パズダー氏は、ハンバーガーチェーン、カールス・ジュニアの経営者で、たくさんのアルバイトを使っています。賃金を低く抑えたい経営者が、労働者の立場になって考えることができるのか。中小企業局長候補のリンダ・マクマホン氏は、米プロレス団体WWFの経営者でした。WWFは中小のプロレス団体を相次いで吸収合併して大きくなりました。中小企業の立場を理解できるのか心配です。


 司法長官には議会で52対47と、わずかの差でジェフ・セッションズ氏が承認されました。セッションズ氏は黒人差別論者で有名です。そして国務長官に承認されたレックス・ティラーソン氏はエクソン・モービルの会長で、ロシアと共同開発事業を手掛けていました。対ロシア外交に影響はないのかと懸念しますが、実際、承認時に43票の反対がありました。民主党もこぞって賛成したのは国防長官のジェームズ・マティス氏くらいです。


 まさに懲りない面々、白人男子が多いのも特徴の1つです。何かと話題の多いトランプ政権、しばらくは世界の注目を集める日々が続きそうです。


日本経済新聞
編集委員兼キャスター
鈴木亮

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