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ニュース報道の心

2015年9月11日(金)大荒れ株式相場 辛抱はあと1週間 鈴木亮

 このところ株式相場が大荒れです。日経平均株価で500円程度の上げ下げは、もは
や見慣れた光景になりました。


 マーケットを取材して30年になります。常に思うのは、マーケットは最後にはきち
んと答えを出す、ということです。神の見えざる手が働き、いったんゆがみやひずみ
が出ても、ある程度の時間が経てば、あるべき姿に戻るものです。


 8月のお盆休み明けくらいから始まった今回の調整局面でも、マーケットの摂理を
実感する時がありました。どう考えても下げすぎ、売られ過ぎと思わざるを得ない時
がありました。


 例えば8月25日、日経平均が733円安となり、1万7806円まで下げた時です。6営業日
で3000円近い急落、騰落レシオ、株価収益率などあらゆる投資指標が売られすぎのシ
グナルを発していました。この日は朝と夜、BSジャパンの番組に出演したので、「底
入れ宣言」をしました。


 直近では9月8日です。433円安で1万7427円と年初からの上げを帳消しにする水準ま
で売られました。ちょっと待てよ、ここまで下げるということは、4~6月期の30%増
益も、コーポレートガバナンス・コードによる企業価値向上も、円安も原油安も、す
べてチャラということかい、それはないだろう、と思いました。キャスター仲間の豊
嶋広君と、「売られすぎだろう」と語っていました。残念ながらこの日は出演がなか
ったのですが、翌日の日経平均は1343円高。これはこれでやり過ぎでしたね。案の
定、すぐに反動が来ました。


 マーケットは長い目で見ていれば、短期の行き過ぎは必ず、時間が経過すれば、是
正されます。上げ相場も同様です。基本、強気な私が、「今年の高値は2万1000円」
と発言すると、首をかしげる人が多かったです。8月10日に出演した時も、高値は2万
1000円と言ったら、山川キャスターから「鈴木さんが慎重なのは似合わない」と指摘
を受けました。山川さんの指摘はもっともで、この日、日経平均の終値は2万808円
で、翌営業日に2万1000円になっても不思議はない水準でした。


 ただ私はどうも居心地の悪さ、何とも言えない気持ちの悪さを、ずっと感じていま
した。1万7450円から、調整らしい調整もないまま、あっという間に2万900円台まで
上昇した株式相場。今年の高値は2万円でいいのになと思いつつも、ここまで来たら
高値2万円では、すでにレンジを外しています。8月半ばからの急落は、むしろ来るべ
き調整がきたなという感じでした。株式相場は年に何回か、こんな調整があるもので
す。


 さて、ここから先をどう見るかですが、私は辛抱もあと1週間だと思っています。
17日の米FOMCが終われば、結果はどちらでも、とりあえず売り材料出尽くし感が広が
るでしょう。利上げ強行、これで当面はなし、というメッセージを市場に発する方
が、私は株価にはプラスが大きいと思います。利上げ見送りなら、反発幅は多少、小
さくなるかもしれませんが、買い戻しが入るでしょう。いずれにしても、あと1週間
ほどで出口は見えてくると思います。


 株価が下がると人は悲観的になります。含み益がどんどん失われたり、含み損がど
んどん増えたりすると、冷静な判断ができなくなります。結果として、買うべきタイ
ミングで売ったりして、後で悔やんだりします。


個人は9月末までに運用成果を上げる必要などないので、じっくり構えて、年末や
来年3月末あたりを展望すればいいのです。そのあたりまでの期間を想定すれば、1万
8000円を下回る水準は割安に見えませんか。


 最後にちょこっと告知です。9月4日に本を出しました。PHP研究所から「ど素人で
も経済ニュースがすぐにわかる本」というタイトルです。経済は小難しいという印象
をもたれがちですが、担当の編集者から「とにかくやさしく、やさしく。わかりやす
く、わかりやすく」と言われ、これ以上は無理と思うくらい、やさしく書いたつもり
です。身近な例え話をたくさん引用しました。本屋さんで見かけたら、ぜひ手にとっ
てみてください。

              (日本経済新聞社編集局 編集委員兼キャスター)

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