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2019年1月25日(金)中国の危うい「灰色のサイ」 岸本好正

 今年に入ってから、中国経済の異変を物語る統計データが相次いで発表されています。去年の実質GDP(国内総生産)の伸び率は28年ぶりの低水準となりました。もっとも前年比6.6%増というのは日本よりはるかに高い水準です。「決して低い数字ではない」とダボス会議に出席した中国のナンバー2、王岐山国家副主席も述べています。でも、中国でビジネスを手掛け、日々戦っている経営者にとっては大変な状況です。


 「需要が全く止まっている状況」(稲葉善治ファナック会長)、「46年経営をやってきたが、月単位でこんなに落ちたのは初めて」(永守重信日本電産会長)


 日経プラス10は、去年の秋以降、中国景気の変調を訴える経営トップの生の声を映像でお伝えしてきました。12月の日本の対中輸出額は前年比で7%減り、なかでも半導体製造装置は3割減、携帯電話を含む通信機は6割を超える落ち込み。番組で取り上げた経営者の「警告」は現実の数字として表れてきています。


 景気変調のきっかけとなった米中の貿易問題については「交渉が進み、解決に向かっている」(黒田日銀総裁)という見方が根強くあります。「下半期は政府による消費刺激策などが寄与して持ち直すだろう」という声も出ています。ただ、景気対策によって債務が膨らみ、将来のリスクがかえって高まる懸念もあります。


 中国では債務問題が「灰色のサイ」と指摘されてきました。まれに起こる影響の大きなリスク「黒い白鳥」に対し、「灰色のサイ」はありふれているので見逃されがちながら一度暴れると手がつけられない危険な存在、というところです。習近平国家主席は地方政府の幹部に対し「灰色のサイ」のリスクを防ぐよう訴えました。危うい灰色の「サイ務」が暴れ出すのかどうか。日経プラス10では、引き続き中国経済に注目してお伝えしていきます。


日経プラス10キャスター
岸本好正


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