日経おとなのOFF
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オ
リジナル。
漱石を語る上で、この言葉は重要なキーワードとなる。他店では食べることが出来ない"洋風かきあげ"はまさしく唯一無二の味であり、その独創性が漱石に膝を打たせたのではないかと思う。

ケーベルは当時の日本人のフロックコート姿一つとっても、辛らつな批評をして目を背けたが、漱石は日本人の近代化を正視し続けた。
「現代日本の開化は皮相上滑(うわすべ)りの開化であると云う事に帰着するのである。(中略)涙を呑(の)んで上滑りに滑って行かなければならないと云うのです」
(『現代日本の開化』)
英国留学から帰朝後、母校・帝大で教鞭を取った際には、「高襟で、高いダブルカラに、磨き立てのキツドの靴の、尖の細い踵高な奴をはいて」(『大学講師時代の夏目先生』~野上豊一郎)とあるように西洋化し、使用人・房子の証言からは、「朝飯は大抵紅茶と麺麭(パン)でお済(すま)しになりました」とあるほど、漱石自身も英国ライズされている。一方で、「花なきに、もの足らぬ思をし、あぢきない日を送った」と自ら通信するなど、引っ越すたびに郊外へ遠ざかったロンドン嫌いの漱石もいた。




