日経おとなのOFF
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おとなの旅
富山県井波
瑞泉寺の近くにある工房――

店主の野村清宝さんは、国の伝統工芸士に認定されている名工です。幕末まで、主に神社仏閣を飾って来た井波彫刻。
時代が移り変わり、今、野村さんの技が作り出す彫刻は、街の家屋でも使われています。
「伝統の欄間彫刻」。
明治時代以降、井波彫刻は、民家の室内にも活かされるようになりました。それが、欄間彫刻です。野村さんは、およそ200本にも及ぶノミや彫刻刀を巧みに使い分け、厚さ10センチメートルほどのクスやケヤキを、優雅で緻密な彫刻へと彫り上げて行きます。
彫刻師の技が生み出す、立体感。その光と影が際立つ欄間は、見る者を惹き付けます。街には、欄間彫刻を設えた宿があります。「東山荘」は、小説家・池波正太郎の常宿。宿泊した客室には、菊を彫刻した欄間がはめ込まれています。

窓の外に見える瑞泉寺を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことが出来ます。街の東側にある「井波彫刻総合会館」。館内には、伝統的な欄間や衝立て、現代彫刻など、およそ200点の作品が展示されています。
彫刻師一人ひとりの着眼点によって、井波彫刻は、今も進化し続けています。

「井波彫刻の新潮流」。伝統の技を活かしながら、新しい作風を切り開く試みがあります。「鬼板」は、祭りに使う山車の屋根に取り付ける飾りです。
若い彫刻師は、図鑑を見ながらデザインし、恐竜の皮膚まで精巧に彫り上げました。
楽器メーカーとの共同制作による、龍の彫刻のエレキギター。実際に演奏ができる芸術性の高い作品は、注目を集め、井波彫刻の名は、一般にも広く知られるようになったそうです。
技が受け継がれ、作品が進化し続けている、木彫りの里・井波。木槌の音が響く街へ、木彫の美しさに触れる旅に出かけてみませんか?




