番組表

マンスリー特集 様々なテーマを4週に渡って紹介

2014.08.11

お米マイスターがすすめる希少米


石垣島産の「ひとめぼれ」は、温暖な気候を利用して6月と11月に2度の収穫を行う、全国でも珍しい二期作で作られます。

6月分は「日本一早い新米」として、6月の末から7月にかけて出荷されます。

全国各地で新しい銘柄の米が誕生している一方、市場から姿を消そうとしている米もあります。埼玉県の北東部に位置する、幸手市。

この周辺で栽培される「白目米」と呼ばれる品種の米は、江戸時代から明治にかけて、「日本一美味しい米」として名声を極めました。米粒が「コシヒカリ」よりも小さく細長く、粘り気が少なく、食感が強いのが特徴で、口に含むと米粒がパラッとほぐれ、噛むと甘味が広がります。

江戸時代には幕府に上納され、江戸の食通には「殿様米」とも呼ばれ、明治になると、東京の一流料亭などでは高級米として取り扱われるようになります。しかし、「白目米」は現在、市場には流通してはいません。収穫できる量が少なく、栽培が難しいからです。

イネの背が高いので、強風に弱く、稲穂から粒が落ちやすいので、安定した収穫が望みにくいのです。昭和になると、国の食糧増産政策にそぐわない品種として、「白目米」の作付け量は減少していきます。その希少な「白目米」を使いたいと、目を付けた店があります。

1927年に東京の新宿に喫茶部を設けて、純印度式カリーを売り出した新宿中村屋」です。本場インドのパラっとしたインディカ米のようにカリーソースが浸透して、かつ、日本人好みのモチモチ感を併せ持つ「白目米」を選んだのです。他の洋食屋のカレーライスと比べると、値段は、およそ8倍でしたが、飛ぶように売れて「新宿中村屋」の名物料理となりました。

しかし、戦時中は収穫量の少ない「白目米」は栽培が禁止され、「白目米のカリー」は、半世紀に渡って途絶えます。

復活したのは、1998年。「新宿中村屋」は、カリー販売70周年の記念に、「白目米」を使ったカリーライスの販売を始めます。生産が途絶えていた「白目米」、新宿中村屋は農業研究機関から種もみを譲り受けて、農家に栽培を依頼しました。

現在、「新宿中村屋」では、石川県の契約農家で「白目米」の品種改良を進めているため、「白目米のカリー」の販売は、2016年以降になるそうです。

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