伊東豊雄(建築家)
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1941年、日本の統治下にあったソウルに生まれ、帰国後は長野県下諏訪町で育った。東大の建築学科を卒業後、建築理論のひとつ“メタボリズム”の論客として知られた菊竹清訓の事務所で論理や理性だけではない感覚的な設計のあり方を学んだ。独立し住宅建築を扱う中で実験的な手法を試み、自らの住まいとして設計した「シルバーハット」で日本建築学会賞を受賞。その後、公共建築のコンペティションにおいて独創的な設計を数々手がけ、2001年の「せんだいメディアテーク」では各フロアに仕切りのないフラットな空間を用意して、利用者自身に使いこなしてもらうという建築で世界的な注目を浴びることになる。伊東は常に建築のあり方に疑問を投げかけ、建築はアート作品であるよりも社会に受け入れられる開かれた存在でなければならないと訴えてきた。2011年の東日本大震災で伊東が被災地につくった「みんなの家」は、拠り所を失った人々が自然と集まり語らい、復興に向けた暮らしの中心となるような場所になった。2013年に建築界のノーベル賞と言われるプリツカー建築賞を受賞。番組では今年11月に開業した大阪府茨木市の文化・子育て複合施設「おにクル」の施工チェックやオープン当日、日本建築家協会長野建築賞の審査活動などに密着する。