大坪清(レンゴー株式会社 代表取締役会長兼CEO)

大坪清
1939年大阪府豊中生まれ。神戸大学経済学部卒業後に住友商事に入社。「いちばん弱い部署」を希望して紙・パルプ課に配属される。そこから兵庫県尼崎市にあった摂津板紙に出向して、当時の社長だった増田義雄のもとで「現場主義」を徹底してたたき込まれた。今も大坪は毎朝社内を巡回しては社員ひとりひとりに声を掛け、現場主義を守り続けている。
ところで「段ボール」という言葉は、当時段ボール製造の大手・レンゴーの創業者・井上貞治郎が生み出した。摂津板紙は1999年、そのレンゴーに吸収合併されて、業界の地図を塗り替えたが、その合併に一役買ったのが大坪だった。2000年、大坪はレンゴーの社長に就任すると次々と改革を打ち出す。段ボール製造は、古紙、製紙、段ボール組み立てという3つの業界に分けられ、原価やコスト意識がない古い体質のまま成り立っていた。大坪はそこにメスを入れて、お互いがきちんと利益をだせる構造に改めた。さらに社内でも合併後の反目を収めると同時に、一気に派遣社員千人を正社員化して、社内のモチベーションアップに成功。
こうした改革が実り、レンゴーは段ボールに新しい商品を続々と投入することになる。例えば燃えにくい、水をいっさい通さない、などの新機能段ボール。さらにパッケージ業界という新たな産業を創出して、デザイン性やおしゃれな容器にもなる段ボールを発表するなど、消費者に馴染みのなかった段ボールそのものに目を向けさせることに成功した。現在はセルロースという新素材にも進出して、従来の段ボール会社のイメージを大きく覆そうとしている。
今回はあっと驚く「最新段ボール事情」をふんだんに紹介。さらに昨年亡くなった「最後のバンカー」こと西川善文氏と盟友だった大坪が、お別れ会に列席して、思いを語る。