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プロデューサーの目

2019年5月31日(金)「写りすぎる」スマホ 米中対立の焦点に 岸本好正

 「アメリカ商務省の決定(制裁)には反対です。販売済みや販売中のスマートフォンについては、端末の使用やセキュリティーの更新、アフターサービスに何の影響もありません。日本の消費者には安心して買っていただくようお願いします」アメリカ製品の輸出禁止措置を受け、中国の通信機器大手ファーウェイの日本地域の責任者は硬い表情でこう呼びかけました。


 21日に東京都内で開いた新製品発表会。去年日本国内でスマホを前年比2倍以上のおよそ200万台販売したファーウェイの勢いを見せつけるイベントとなるはずでしたが...。制裁の影響は去年10月の発表会を取材した私にも、はっきりと見て取れました。楽天モバイルなど日本の格安スマホの通信業者が続々と登壇して、感謝と販売への全面協力を高らかに宣言した去年の秋から一転、会場に顔を見せた業者はみあたらず、発表会の直後に販売延期や予約受付の中止が相次いで発表されました。


 「真っ暗闇でもきれいに撮れる」「大都会の雑踏の中でも被写体を望遠でくっきりとらえる」というファーウェイの最新スマホは、13億人の国民を監視して、体制変更につながるようなリスクの芽がわずかでもあれば摘み取ろうとする中国の監視技術の高さを示すもの、との指摘があります。言い換えれば、アメリカが安全保障や軍事面で脅威と感じるほどの中国勢の技術進歩が一連の貿易戦争の底流にあるわけで、貿易交渉が妥結すれば済む問題ではありません。ハイテク技術をめぐる覇権争いが本質だけに長期戦を覚悟しなければなりません。


 来週の「日経プラス10」は、米中対立の焦点となったファーウェイについて特集で取り上げます。日本企業の業績や株式市場への影響は? ぜひご覧ください。


日経プラス10キャスター
岸本好正


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