「日本は意外にも世界の中心だ」
マレーシアの格安航空(LCC)大手、エアアジア・グループを率いるトニー・フェルナンデスさんは「日経プラス10」とのインタビューで語りました。
フェルナンデスさんは30代だった2001年、たった2機の飛行機からアジアを代表するLCCを興したパワフルな経営者です。アジアでの競争が激しくなるなかで日本での事業拡大を狙い、今年から日本に住むほどの力の入れようです。アメリカ、ヨーロッパ双方に飛行機で行き来するうちに、ともにフライトが12時間程度で変わらないことに「住んでみて気づいた」そうです。今後、日本からアメリカ西海岸とヨーロッパ、それぞれに向けた長距離便を飛ばしたいとカメラの前で明言しました。
短距離中心だったLCC業界の中長距離へのシフトに対応して、日本を東南アジアと欧米を結ぶ中継拠点にしたいフェルナンデスさん。かつては音楽業界で活躍していたこともあってか、インタビューでは「ナカモリ・アキナ(中森明菜さん)」「マキハラ(槇原敬之さん)」と日本の歌手の名前が次々飛び出しました。グループ参加で中長距離便を手がけるエアアジアXの社名はロックバンド「X JAPAN」から取ったことは、業界では有名な話です。
日本への愛を猛アピールしているものの、成田―ジャカルタ便が就航5カ月で運休となるなど、必ずしも順風とはいえません。日本を拠点にした中長距離便を運航する「エアアジアX JAPAN(!)」の設立はあきらめていないものの「ライセンス(認可)は難しいかもしれない」とフェルナンデスさんはやや声を落として答えました。
「日本のLCCは遅れを取っている。安い航空代で訪日客を増やし、日本の雇用も増える。損な話ではないはずだ」。シンボルカラーの紅に染まるシャツを身に着け熱く語るCEOの話は、日本の航空産業に向けての叫びのようにも聞こえました。
「俺が見えないのか すぐそばにいるのに」
日経プラス10キャスター
岸本好正
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