なぜ「振り込め詐欺」にだまされるのか。終活で身辺整理をする際、不用品になぜ見切りをつけられないのか...。実は、いずれも加齢に伴う判断能力や認知機能の衰えによるものなのだそうです。
長寿社会でよく課題と言われるのが「健康寿命」ですが、健康でそれなりの生活の質を維持して暮らしていくためにはお金、つまり「資産寿命」も大事になってきます。しかし、認知機能が衰えると資産を活用するための意思決定が十分にできなくなってしまい、最悪、資産が枯渇してしまうこともありえます。実際、85歳以上の半数以上が認知症というデータもあり、そうなる前に資産をどうするのがよいか考えておく必要があるのです。
この金融ジェロントロジー(老年学)の問題に取り組むのが証券業界です。1年ほど前に野村ホールディングスは慶応大学と高齢者の資産運用に関する共同研究を始めました。そして今年、野村証券は高齢顧客対応を専門とする社員を育成する研修をスタートしました。有価証券の7割以上を60歳以上が保有する日本で、高齢顧客の問題にきちんと向き合わなければ、多くの顧客や資金を失うことになるからです。顧客がもし「そうなった」場合の対策やそのスキームの構築は業界全体の喫緊の課題なのです。
一方で、既に高齢者となった人や今後高齢期を迎える人にとっても、加齢に伴い認知機能がどのように衰え、それに合わせて資産をどうすべきなのかは知っておきたいポイントです。来週22日は慶応大学が昨年6月に開設した「ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター」で所長を務める駒村康平教授をゲストに招いて、金融業界における顧客の高齢化の問題や、認知能力と資産運用の在り方について詳しく伺います。
日経プラス10プロデューサー
羽田洋子
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