「中国ではお年玉をスマートフォン(スマホ)を通じて渡し、屋台の支払いもスマホ、物乞いをする人もスマホでキャッシュレスです」。そう言って笑うのは、三菱総合研究所の研究員、劉瀟瀟(りゅうしょうしょう)さん。中国ではスマホ経済が発達し、電子決済サービスが日常に欠かせないインフラとして根を生やしています。
アリババ集団の「支付宝(アリペイ)」は約4億人、騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイ)」は約7億人が利用しているといいます。スマホなしでは生活できない中国に対して、良くも悪くも現金決済が根強い日本。劉さんのもとには日本への旅行を控えた中国の友人から「現金はいくら持っていけばいいの」という質問が送られてきます。彼女が「返信で毎日忙しい」と話していたのが印象的でした。
スマホ経済の最先端、巨大市場の中国で実績を積み上げた企業が日本市場を狙っています。もはや製造コストが安い中国ではなく、日本よりずっと先を行くサービスをたずさえた中国企業のパワーを感じます。そんな「かっこいい中国」は、日本の若い世代にとっても違和感なく受け入れられるようになりました。
華為技術(ファーウェイ)の日本法人は10日、SIMフリーのスマホの新機種を発表しました。写真共有アプリ、インスタグラムへの投稿を意識し、カメラの性能を上げています。日本を担当する呉波(ごは)氏は「若者をターゲットにした商品として攻勢をかける」などと語り、日本での拡販に自信を持っていました。
スマホ経済の成長と連動するのがシェアエコノミーです。中国シェア自転車大手、摩拝単車(モバイク)は札幌でサービスを始め、全国各地に広げていく考えです。専用アプリで自転車に貼られたQRコードを読み取ると、ネット経由で自動的に解錠されます。目的地でカギをかけると、料金がスマホで自動決済される仕組みです。手軽さがウケており、中国で爆発的にヒットし、日本にも入ってきました。
スマホをテコに膨らむ中国の民間パワー。そんな隣国の首都・北京で、18日から5年に1度の共産党大会が開かれます。習近平総書記(国家主席)が広域経済圏構想「一帯一路」を掲げており、中国の息のかかった経済圏の拡大に努めています。
番組では、一帯一路の最重要国のひとつ、ミャンマーへ出向き、日本を上回るスピードでインフラ整備を進める現場を取材します。ミャンマー取材の報告は19日。果たして、中国は今後どこまで膨張するのでしょうか。アジアでのインフラ争奪戦やスマホ経済圏の拡大など、日本をしのぐ中国パワーの最前線を追います。
日経プラス10
プロデューサー
武田仁
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