7月17日の番組で東京大学先端科学技術研究センターの神﨑亮平所長をゲストに招き、「昆虫ロボット」の研究の最前線を紹介しました。すでに「カイコガ」の特定のにおいをかぎ分ける機能を工学的に再現し、技術的には実用可能な段階まで来ているといいます。
空気中にある多くの匂いの中から、特定の匂いを選別する作業はとても難しい。モノづくりが得意な日本の産業界も、匂いに関するセンサーは苦手です。嗅覚に優れた麻薬探知犬などが活躍するわけですが、犬は訓練が必要で、集中力が切れると間違うこともあるといいます。その点、昆虫ロボットが実用化すれば低コスト・高精度で病気や犯罪を早期に探知できると期待されています。
神﨑氏の研究の最大の特長は生物学の成果を工学と結びつけて考えた点です。「生物工学」という領域で新しい価値を生み出していくのです。神﨑氏はこうも話していました。「日本人に馴染みの深いカイコと、日本を代表するスーパーコンピューター『京』を結びつけて、日本ならではイノベーションを起こしたい」。日本が古来、大切にしてきた「和」の精神に通じるものがあるな、と感じました。
来週24日には理化学研究所の松本紘理事長を招き、イノベーションをテーマにお話を伺います。日本の科学技術の中核を担う理研が、大胆な改革に着手しようとしています。退路を断って挑む改革者、松本氏の言葉の中にはきっと、日本の進むべき道のヒントがあると思います。是非ご覧ください。
日経プラス10
プロデューサー
大西穣
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