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ニュース報道の心

2015年4月24日(金)使うとわかる アップルウオッチの実力」 山川龍雄

 4月24日金曜日はアップルウオッチの発売日。そこで、3日前の21日のトークプラス
では、ITジャーナリストの石川温(いしかわ・つつむ)さんと、ウエアラブル端末
の動向に詳しい日本経済新聞の関口和一(せきぐち・わいち)編集委員にお越しいた
だき、アップルウオッチの実力や可能性について、検証しました。


 石川さんは、アップルから事前に新製品を貸与され、数週間、使ってみた経験があ
ります。番組では、実際に装着した人でなければ出てこない、実感のこもった感想を
披露してもらいました。その中でも印象的だったのが、以下のコメントです。


 「メールやSNSのメッセージなどをアップルウオッチでチラッと見ることができるの
で、iPhoneをあまり操作しなくなりました」「電話やメールが来ると、(振動で)腕
をトントンと叩いて教えてくれます。だから、iPhoneをカバンの中に入れていても、
電話を取り逃すことが減りました」「パソコンで仕事を始めれば1~2時間、スマホ
を触れば10~20分といった単位で時間を消費します。これに対して、アップルウオッ
チは、瞬間的にチェックできるので、仕事の仕方が、秒単位に変わりました」


 我々は新しい製品が出てくると、従来にないような独自の機能に注目しがちです。
しかし、アップルウオッチの利点は、意外に地味なところにあるのかもしれません。
会議や会食などの最中に、しょっちゅうスマートフォンを取り出して、メールをチェ
ックするのは気が引けます。もっと、瞬間的に、さりげなく、情報を確認できるもの
がないか。それに応えるのが、時計型端末なのでしょう。


 私がそう思うのは、実体験も影響しています。私事で恐縮ですが、これまで何度
も、ゴルフ場で使用する距離測定器を買い換えた経緯があります。ボールを打つ場所
からピンまでの距離を表示してくれるものです。従来はスマートフォンのような形状
の端末を使っていたのですが、現在、気に入っているのは、腕時計型です。いちいち
ポケットから取り出さなくて済むからです。ゴルフ場では、自分がショットする番に
なったら、速やかに打つのがマナーです。腕時計型であれば、周囲に気づかれずに、
さりげなく距離をチェックできます。機能的には、従来よりも進化したわけではあり
ません。画面サイズはむしろ小さくなりました。それでも、私にとっては、腕時計型
の方が使い勝手がいいのです。


 このあたり、「何がユーザーにとっての価値なのか」を突き詰めて製品化するの
が、アップルの巧みなところです。今回のアップルウオッチで話題になったのが、想
像以上に「高級腕時計」として売り出したことでした。石川さんは「単なるIT機器で
はなく、30~50代の人が日常的に装着しても恥ずかしくないような、デザインと質感
に仕上がっている」と言います。


 なぜ、高級感にこだわったのか。関口さんはこう解説します。「パソコンやスマー
トフォンなど従来のIT機器は、必要な時に取り出して使うものでした。これに対し
て、腕時計型は身に着けるものです。ここが根本的に異なる。だから、従来以上に、
デザインや質感にこだわる必要があったのでしょう」。


 ソニーやセイコーエプソンなど、日本でも多くのメーカーが時計型端末に注力して
います。恐らく、技術力ではアップルに劣るわけではないでしょう。しかし、ブラン
ドやデザイン、質感、使いやすさなどで、どう優位性を出していくか。腕時計型にな
ると、より一層、勝負はここで決まるような気がしてなりません。スマートフォンの
時に聞かれたような、「技術や機能ではウチの方が優れているのに・・・」といった
嘆きは、もう聞きたくありません。


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