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【環境問題の真犯人は“脳”だった!】
養老孟司は、現代社会の象徴である大都市は、人間の大脳がつくり出した「脳化社会」と 位置づける。脳が発達した結果、人類は住みやすい世界、つまり都市を作り上げた。
そして、大自然を含めたすべてをコントロールできると過信し、自らの意のままにならないモノをどんどん排除してしまうというのだ。
つまり「脳がある限り、環境破壊は止められない」と養老先生は指摘する。
【脳のメカニズムとは?】
では、なぜ、人間の脳は、自然破壊の脅威を感じ取れないのか?
脳は「五感」で感じたものが入力され、「筋肉の動き・行動」として出力する器官。これはすべての動物で同じ。ほとんどの動物は五感の入力を脳で判断し、単純に出力・行動する。
しかし、人間は大脳(演算装置)が発達しているため、五感の入力を大脳内で複雑化してしまう。その結果、五感は鈍り、自分勝手な行動を取るようになったと考えられる。そのメカニズムを、養老孟司が解説する。
【養老孟司パラワン島に行く!】
養老孟司は、フィリピン最後の秘境と呼ばれ豊かな自然が広がるパラワン島に向かった。パラワン島は、71,007もあるフィリピンの島の中で4番目に大きな島。
島の中央を熱帯雨林に覆われた山稜が南北に走り、深い森には多様な動植物が生息する。酸素を供給し、水を蓄え、土壌を肥沃にする森林の大切な役割を担う熱帯雨林は、まさに都市の対極にある大自然。
養老先生は、自然には自然の中でしか得られないもの、人間の脳に与える「刺激」とその効果の素晴らしさがあるのだという。
【パラワン島の人々と自然の姿】
熱帯雨林に覆われた深い森の中、そこには、手付かずの自然と人々の暮らしがあった。パラワン島に住む先住民族の1つ、バダック族は狩猟採集民族、今なお熱帯雨林の中で暮らしている。
彼らは食材を採りにジャングルへ分け入ると、私たちにはぱっと目には分からない緑の中から、的確に食糧を見つけ出す能力を持っている。即ち、都会の人間が失ってしまった、小さな変化をはっきりと識別できる能力を持っているのだ。
食料は自分たちの食べる分だけを確保し、決して過剰には採取しないという考え方、さらに、人々が自然を“コントロール”するのではなく、“手入れ”をしているということに、養老孟司は感銘を受ける。
手入れとは、人間と自然が無理なく付き合う最適な方法である。
【脳は地球と共生できるか?】
「フィリピンの宝石」ゾウムシを探して、さらにジャングルの奥へと進む養老孟司。
小さなゾウムシは、人間という生き物の在り方を考えさせてくれるのだという。脳の働きが人間と全く対照的な生き物であるゾウムシは、自然の一部として存在する。
ところが都市の人間は、人間自身も自然の一部であるにもかかわらず、自然をコントロールしようとし、自然を排除しようとする。はたして人間たちに、小さな虫のように自然の細かい違いを感じ取る、本来の感覚を取り戻すことはできるのだろうか?
それとも、人間の脳の暴走が、やがては地球を滅ぼしてしまうのだろうか?
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