■マーケットウィナーズ( 3/27 放送 )

テーマ: ユーロを追いかける円
ゲスト :
岡崎良介(ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役)


岡崎氏

最後なのでマーケットウィナーズならではのマーケットデータですね。
現在のマーケットを見る上で大事な数字はここじゃないかというのを作ってみました。
ずっと6年間新しい言葉と新しいデータ、新しい指標ばかり皆さんにお見せしていたと思うんですけれども、最後までどうぞお付き合いして頂けたらと思います。
まず、先週のおさらいなんですけれども、2つの指標、大事なものがあるとお伝えしました。



 

まず、株価のボラティリティという言葉、これは何回もウィナーズの中で使わせてもらいました。
これは価格変動リスクなんですね。株式市場が動く際の予想のリスクなんですね。
もう1つは債券の信用リスク。これも大事です。
債券の信用リスクというのは債券を発行している企業と国とかが倒産するかどうかっていうそういうリスクなんですね。
この2つが大事ですっていうのを何回もお話致しました。
具体的にそれぞれをどこから拾えばいいのかというと、株式のボラティリティの場合は山田さんもよくウィナーズで使われた恐怖指数。
いつの間にか皆さん新聞とかで見るようになりましたね。
もう1つは信用リスク。
これは日本では中々お目にかかる事がないんですけれども、FRBのホームページから拾うことが出来ます。
社債の利回り(Baa)と言われている物から10年物国債の利回りを引いてもらえれば、だいたいどんなものか分かると思います。



 

紺色の方が株式のボラティリティの過去10年くらいの動きですね。
そして赤いほうが先ほど紹介した債券信用リスク、スプレッドです。
赤いほうが右の軸ですね、6%まで上がっています。月末値です。



 

1998年以降、大変似たような動きをしているというのが先週のお話でした。
本来、株式のボラティリティと債券の信用リスクですから、似て非なるものなんです。
株価が動けば企業が潰れるかもしれない、同じように捉えられてしまったのが1998年以降の展開だと思います。
なぜこんな風になったのかというのを説明する際に、この様なフリップでご紹介しました。



 

21世紀になってから株と債券の境が無くなってしまったんですね。
もともと金融の世界では「国境が無くなった」とよく言われる事なんですけれども、今度は株と債券の間の国境が無くなってしまった。
その結果、一緒に動いてしまうものですから、一緒に動いて一緒に崩壊してしまうかもしれないというリスク。
市場リスク、システマティック・リスクというんですけれども、最後の最後になりました。
新しい言葉です。システマティック・リスクを表す新しい指標が必要になったという事です。
整理してみたいのは、何故市場全体が崩壊してしまうかというと、この様な不安が市場の中で動いてしまうからなんですね。



 

まず株価が下落すると企業業績が悪くなったんじゃないかと思うわけですね、人々は。
そうすると、どんどん悪くなると倒産するんじゃないかと。
倒産するんじゃないかと思うと社債の金利が上がってしまう。
金利が上がってしまうと企業は資金調達が出来ない、資金調達が出来ないとまた株価が下がる。
そうやってグルグル下がってマーケットが崩壊してしまう。
この結果、別々の生き物だった株式のボラティリティと債券の信用リスクが一緒に交互に反応し合う様になった。
という事でどうやら、ポイントはここじゃないかと思います。
株式のボラティリティと信用リスク、これを掛け算してみると市場全体のリスクが見えてくるんじゃないかなということです。



 

これは掛け算した(ベーシスポイント)で表しているのですが、ボラティリティと信用リスクスプレッドの掛け算です。
実はこれ、新聞とか良く目にするCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とありますけども、それとだいたい同じ様な画なんですよ。
だからCDSの中身とは少し違うんですけれども、現実はこの株価のボラティリティと信用リスクスプレッドという風に考えてもらえればいいと思います。
昔、湾岸戦争やロシア危機がありました。
その頃はシステマティック・リスクはそんなに大きくなかったです。
ところがだんだん同時多発テロとかITバブル崩壊とか、だんだん上がってきました。
ついに今回金融危機の所で大きく上がってしまいました。
システマティック・リスクの水準によって、ある程度時代がどういう所にあるかという事が言えます。
0(ゼロ)から50bp(べーシスポイント)の時は平穏無事といいますか、通常の時代はこの辺です。
50bpから100bpというのは景気後退期。
ところがこれが不況になって倒産すると100bpから150bpになって、150bpを超えてくると金融危機。
株式のボラティリティを見てもらえればだいたいイメージが浮かぶと思うんですけれども、今後も出来れば自分でも時々見てもらえればいいなと思います。